08　今度は肺カメラを飲む？

胃カメラなら飲んだことはあるよ

『ウメちゃん　良かったじゃないか。長生きのお墨付きをもらっちゃったね。レントゲンの結果はどうだった。私は特に何もなかったけどさ。』
『ああ　あれも問題あったわ。何か影が見えるから肺の精密検査を受けろって言われたのさ。』
『ウメちゃんの場合　心臓に影があったんならそりゃ間違いなく心臓に生えたハガネのような毛だと思うけど肺の検査ねえ。』
『ひどい言われようだね。今までに胃カメラなら飲んだことはあるよ。キレイな胃袋ですって言われて　写真ももらったから　今度何かの証明写真が必要だって言われたら　キレイな私ですって言ってその胃袋の写真を添付しようかと思ったくらいさ。でもねえ　今回は肺カメラを飲むって言われたんだよ。』
『ええっ　そりゃ怖いね。』
『怖くなんかあるもんか。胃カメラの検査の時みたいなら検査中　今度は自分の肺の中を画面で見られると思ったからさ、ワクワクしちゃって　喜んで検査を受けることにしたのさ。』
『凄いわ　そういうとこウメちゃん尊敬しちゃう！』
『ところがよ　この検査ときたら全然思ってたのと違ったのさ。それがどんなに期待はずれだったか　例えて言うなら
映画の予告編に踊らされて見に行ったのに　その予告編その物が全くの嘘っぱちでさあ　本編とは内容は違うし、配役さえも全くの別人だったくらいの・・・衝撃。何じゃこりゃとあきれてしまうみたいな感じだったんだよ。』