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第13話 完結:ミノリョンの冒険

スゴク楽しい夢だったはずなのに ・・・

 小鳥たちのさえずりが朝の到来を告げています。
目覚めたミノリョンは 窓から入るすがすがしい風を頬に感じて大きな伸びと欠伸をひとつしました。
『ミノリョン おはよう! よく眠れた? そろそろ起きて着替えてね。おいしい朝ごはんが出来てるわよ。』
 お母さんにそう言われてベッドから降りました。
『お母さん あのね 何だかとっても楽しい夢を見てたの。
空を飛んだり いろんな仲間に会ったり それから 何か怖い物に追いかけられたり いい香のする所に行ったり・・・あ~あ!スッゴク楽しかったはずなのになあ 何かこう フワフワした霧みたいな物に包まれちゃって・・・何もはっきり思い出せないや。』
『そうなの そんなに楽しかったの。』
『楽しかったよ とってもとってもね。それなのにどうして思い出せないんだろう?』
『う~ん そうねえ・・・
夢は夢の世界の住人達の物だからね それを全部こっちの世界に持ち帰ることはできないんじゃないのかな? でもね 忘れた頃にふっと思い出すことがあるかもしれないわよ。』
『えっ ホント? 』
風を受けて揺れているカーテンを開けてミノリョンは思い切り深呼吸をしてみました。
 おや 花(孔雀サボテン)のような香りが・・・鼻のずっと奥の方でしたような気がします。

こうしてミノリョンの新しい一日が また始まりました。


・・・・・おしまい・・・・・

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