O-10 どうして人間っておしゃべりなの?
内緒にしておくってことができないの?
大雨や大風の時は私の小屋が吹き飛ばされないように リビング前の風除室に小屋ごと避難させてもらいます。首ヒモはいつもより長くしてもらえるので 風除室の中だけじゃなくて そこからも結構離れた所まで自由に動けます。普段はなかなか鼻とか足を運べない所まで行けちゃうの。
気がついたら オシロイバナやコスモスがビッシリと茂ったところに入り込んでしまったことがあったんです。鎖が引っかかって完全に身体を絡めとられてしまったの。
こういうことってよくあるんですよ。いつもだとヒュンヒュンと鼻を鳴らせばお母さんがすぐ助けに来てくれるんだけど 毎度そんな感じだと私だってちょっと恥ずかしいじゃないですか。だからこのくらいは自分で何とかできると思ったわけ。
この足をこっちへ動かして 首をここでこう抜いて・・・そしてこの前足をここに通して・・・ウッ 全然動けなくなっちゃった。それに首がくっ 苦しい。声も出せない。ワッ まずいですよ。雨が降ってきました。どんどん雨が強くなってますよ・・・・。
『雨が降り出したわ。あれ モモはどこにいるの? 小屋に入らないと風邪ひいちゃうよ。変ね声もしない。あらら モモ一体どうしたの。コスモスとオシロイバナにつかまっちゃたみたいね。どれどれ。あらま どうやったらこんなはずれない知恵の輪みたいな状態になれるわけ? 首と首輪の間に前足一本そっくり入っちゃってるよ。これは苦しかったよね。ほらもう大丈夫。あら どうして目をそらすの? さあさあ早く小屋に入りなさい ほらほら。』
私はお母さんに言われるまでもなく大急ぎで小屋に入ったというか 小屋の中にかくれました。だって何だかとても恥ずかしかったんだもん バウワウ
お母さんこんなこと誰にも言わないでね。・・・って私が思っているのに お家の人に私がどんな状態だったか報告しながら戻って行きました。どうして内緒にしておいてくれないのかなあ。どうして人間って みんなこうもおしゃべりなのかな・・・
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