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母親と妻である前に…

ぼーっと見ていたtwitterに流れてきた話。
離婚を切り出した妻、理由は「夫が自分のコップを洗わない」。聞けば妻は何十年も毎日夫に自分の使ったコップを洗う様に頼んでいたのに、夫はコップ1つくらい一緒に洗ってくれと取り合わなかったそうだ。妻曰く、「夫は私のことをコップ1個洗う手間もかける意味すら見出せない人間として扱う」という事だそうな。

凄くよく分かる。

家事や育児において、夫は加点方式、妻は減点方式であることが多い。例えばコップを夫が洗う事は加点で、妻が気持ちよくコップを洗わない事は減点な訳だ。365日のうち数日料理をした夫には加点、毎日食事を準備しても惣菜が多い妻は減点。

こんな社会ウンザリだ。

夫が妻と家事を分担しない姿勢は、手伝ってやる程の価値はない人間と扱っていると言われても仕方がない。

我が家は割と夫が家事をする。けれど納得できる比率にはなっていない。申し訳ないが私は妻であり母親である前に一人のぐうたら人間なのだ。感謝の気持ちを述べる事ならいくらでも喜んでやるから、感謝の言葉を糧に毎日家事をやる側に是非なってみて欲しい。よく「妻に感謝の気持ちを伝えよう」みたいな事を聞くが、個人的にはそんな事であの労働を報いることが出来ると思ってもらっては困るのである。

ちなみに、私は料理が好きだ。
ただし、それはおもてなし料理が好きなのであって日々の一汁三菜を作る事とは全く違う。料理も上手だが、生まれた瞬間女だからそういう機能が備わっている訳じゃない。練習して上手くなっただけだ。学生時代に家庭科の代わりに技術の授業を受けいた筈の男性諸君、君らは日々日頃その成果を存分に発揮して生活しているのだろうか?

ミシュランの星が付いた店のシェフの多くは男性だ。職業になり金になる料理は男性だって極められるわけだ。面白みのない日々の家庭料理だけを「女性の方が上手く出来る」と分担させるのは失礼じゃないのだろうか。

女だから家事育児が得意な訳じゃない。女に生まれたせいでこちらのお鉢に回ってきただけなのだ。子供を産むと、産む前から新生児を死なせない為の様々なレクチャーが母親に行われる。ただでさえお腹とお股を痛めて産むのだ。せめて安全面の整備くらいは男性に頼んでもらいたい。産褥期のご飯を作るために家庭科だってもっと真剣に学ぶべきだ。

幼稚園で人気だったヨウスケ君のお家に皆で遊びに行った時の記憶。メロンを切るお手伝いをした私はヨウスケママに随分と褒められた。「将来良いお嫁さんになれるわね〜」と。全然嬉しく無かった。メロン切ったり家事育児をしながら良い嫁と褒められて生きるなんて冗談じゃない。私だってヨウスケ君らと同じようにメロンを切ってもらいたい。

数十年経って、私はあの頃の自分と全く変わっていない。それを誇りに感じるし、嬉しく思っている。私が死ぬまでにこの理不尽な世が大きく変わる時代が来るのだろうか。

最近女の子らしさが増した娘を見て、どうしたら彼女を世の不条理から守ることが出来るのかと既に頭を悩ませている。

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