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キロク④さらば、髪の毛

抗がん剤治療がはじまった。
こどもの場合、大人よりも副作用はマシだと言われている。
この言葉が少し心を軽くした。

最初の数日は、何もなく副作用は突然やってきた。
普段、お腹が強い娘が下痢になった。
とにかくトイレにこもる。
さらに、普通に過ごしていてもふとしたときに出ちゃう。
ズボンと下着が何枚あっても足らなくなるので
ついにおむつをはくことにした。
嫌がるかな・・と心配したけど、本人も毎回楽だそうで
すんなりと受け入れてくれた。
意外と幼稚園の子たちのほうがおむつを拒否してることが多いそうな。

しかも、この状況になって
小学生がはくおむつが存在することに気づく。
柄も可愛い。
最初は病院に売っていた介護用の一番小さいおむつを履いていたが
細身の娘には大きすぎるのでネットで検索。
西松屋、マツキヨ、トイザらスで販売していた。
ほんと、ありがたい。

トイレとベッド、そしておむつ交換の日々。
後で知ったけど、排泄物にも抗がん剤が混じっているので
被爆防止のために手袋必須だった。
めっちゃ素手で変えてたし・・・ときすでに遅し。

そうこういているうちに、
髪の毛がはらりはらりと抜けてきた。
枕に数本だったのか、10本20本と増えてきた。
はらはらと落ちるより、お風呂で髪の毛洗うときに
手ぐしでしっかりと落としてきたほうが良い。
というアドバイスを受け、お風呂で実施してみた。

排水溝の周りにあふれかえる髪の毛。
正直驚いたし、ショックだった。
でも、本人はケロリとしていた。
抜ける感覚がおもしろい。とまで言い出し
中途半端に残る髪の毛を見て
ヨーロッパ系のパンキッシュなお姉さんみたいだよね。と。

我が子ながらたくましくてあっぱれ。


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