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生きていた


ただもう
呑んでいるだけ
というよりは
勝手に喉に流れ込むんだ
まるで自動書記だ
いばれることではないけれど

憂さ晴らしが必要なほど
たいした生き方しちゃいない
落ち込んで自棄になるほど
盛り上がってやしないんだ
ただもう
焼酎水割り、水無しで、だ

ただもう
呑まずに生きてられますかって話
酔ってりゃいやでも
朝が来ますか
死んでいなけりゃ
朝が来ますか

集合住宅の脇を抜け
朝焼けのブロック塀に滑り込むと
味噌汁の香り
今日着るシャツが浮かばずに
涙が溢れて
生きていた

(2007年春)

サポートの一部を誰かのサポートに繋げていけるのが理想です。途切れることなくー