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【梅園魚品図正】(4) 乾鯷魚(ごまめ)/鯷(ひしこいわし)/ほうぼう

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『梅園魚品図正 巻1


乾鯷魚ゴマメ

壬辰蝋月十六日 真寫

俗曰 田作タツクリ
いわし の其苗の小なるを、メダツクリと云。
又、シラスと云。

塩を不 つけ、乾たる者、淡 □ シラスボシ と云。鰮のやゝ大なるを田作と云。五月、農夫の苗を挟む時、最多く是を義饌とす。故に、田作りと云。則、ごまめ也。

予考に、ひしこは 鰮の 一種二種に而、コマメは 鯷の しらぼし也。状形大に異り。可考乎。

淡 □ 、又、シラスボシ、又、チリメンザコは、鰮の苗の小なる者に不非。可考。

※ 「しらぼし」は、塩に漬けず、そのまま干すこと。白干し、白乾し。
※ 「可考」は、かんがうべし。「可考乎」は、かんがうべしか。


ヒシコイワシ

壬辰蝋月十七日 真寫
海魚類

俗 ヒシコ カタクチ

『和名類聚鈔』云 鯷魚
 陶隠居『本草注』云、鮧 ハ 今之 鯷魚也。
 『四聲字苑 ニ

 比師古 伊和之


■鮄ホウボウ  [■は魚+方]


壬辰閏十一月十七日 真寫
海魚類

『料理綱目』
 ■鮄ホウボウ 俗 鮇  [■は魚+方]
 竹麥魚ホウボウ 『寧波府志』



筆者注 『梅園魚品図正』は、江戸時代後期の博物家、毛利梅園による魚図鑑です。説明文書は漢文体が中心のためパソコンで表示できない漢字が多く、漢文の返り点と送りがあります。読みやすさを考え、パソコンで表示できない漢字は □ とし、名称の場合はできるだけ [■は〇+〇] の形で示すようにしました。

また、漢文の返り点と送りはカタカナと漢数字、振り仮名と送り仮名はひらがなで記載しています。

この作品に引用されている文献については、こちらの note を参照してください。 → 【梅園魚品図正】文献まとめ

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