燕都(えど)の見図(2)
※ 「燕都」は、江戸のこと。
待乳山
目には猪牙 耳には駕籠の声聞て 人をまつちの山ぞもどかし
物事秋 ●
※ 「猪牙」は、猪牙舟のこと。
※ 「人をまつちの」は、人を待つと待乳の山の掛詞になっています。
上野
天も酔る はなの上野の坊主持 樽にわり子をさし●ひ堂
京街堂 淀野早牛
※ 「坊主持」は、同行者の荷物を交替で持ち、途中で坊主に会うごとに持ち手を替えること。
※「わり子」は、弁当のこと。ヒノキの白木の薄板で折り箱のように作ったもの。破り子、破り籠。
両国橋
打よする 浪のしらべの糸ながく 川にかけたる両国のはし
清風亭いさ子
目黒
不動尊 左りはばゝの繩手道 右はけん/\囃子のもろ声
蚊江亭 黒貫
※ 「不動尊」は、目黒不動尊のこと。
※ 「ばゝ」は、馬場と思われます。
※ 「繩手道」は、田んぼのあぜ道。
※ 「けん/\囃子」は、お囃子の跳ねるような踊りを指していると思われます。青森ねぶた祭りの跳人のような踊りでしょうか。
※ 「もろ声」は、諸声。互いに声を合わせて、一緒に声を出すこと。
愛宕山
ほとゝぎす 愛宕おろしの夕風に かわらけ町を おちかへりなく
伴金守
高輪
三味せんの ひく手あまたの大一座 名も高輪の夕涼かな
川瀬兼成
神明
うやまへば 威をもますやか 火打鎌 なをひかりそふ 神明の字
万代■成 [■は米+文]
※ 「火打鎌」は、火打金のこと。
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
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