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山城国 宇治茶摘図 宇治茶製之図

山城国 宇治茶摘図

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『大日本物産圖會 第1帖

皇国第二の産物にて、近年諸方にて作るといへども、宇治を上等とす。先実子たねをなして、六年目にして摘るなり。此年、一株にて凡三貫目〆目摘上げ、七年目には九貫目、八年にて廿七貫目、九年には八十五貫目、十年にして二百五十五貫目、取上る摘也。摘人は、一人一日に一貫目摘取を定業として、新暦五月より摘。初十日の内に、摘終る也。その余日をなす物は、葉かたくなりて上品の茶にはならぬものなり。

初十日の内に摘終る也
その余日をなす物は
葉かたくなりて上品の茶にはならぬものなり


宇治茶製之図 二

出典:国立国会図書館デジタルコレクション『大日本物産圖會 第1帖

茶の製法は、生茶六十目を一ト蒸籠とし、むし上たるを手早く取、上ケ筵の上にかきちらし、団扇にてあふぎさまし、●●へ五百目程入、だんだん揉和もみやはらげ、葉をよる也。色変り、ねつの去るに随ひ、箕にとり●、ほいろへうつし、をりをりかきまはし、会々、水気かはきし時、渋紙に包み、壺に入貯る也。さて、茶の品位を定るには、●●にて葉向をえらむべし。

生葉を蒸す図 蒸たる茶をさます図
だんだん揉和らげ、葉をよる也
渋紙に包み、壺に入貯る也
近年諸方にて作るといへども、宇治を上等とす

冷たい緑茶
Photo by mominaina



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