![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/124231545/rectangle_large_type_2_be654e865334f4282b2e95f669b2836b.jpeg?width=800)
【人相学】『武者鑑』白拍子妓王/平相國清盛/佐馬頭義朝/常盤御前
![](https://assets.st-note.com/img/1702266298801-8u2Sv6AwwM.jpg?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1702266298761-1w5NlAlRnl.jpg?width=800)
白拍子 妓王
妓王は、江州 益須郡中比 の里の産れなり。妹 を 妓女といふて、同胞 共に 舞の 上手なれば、清盛これを 妾となして、寵愛 限なかりしに、佛御前の 為に 寵 衰へければ、忽 発心なして、栄枯を 述し 歌を 残し、姉妹ともに 世を 遁れて、嵯峨野の 奥に 庵を 結びて 一生 を 送りける。
妓王は、賤しき 民の 女なれど、産れ立 清らかにして、両の 眉毛の 間へだゝり、併も、その色 黄紅く 艶ありて、きはめて 貴 相ありしとかや。発心せし 時、妓王は 二十一歳、妓女は 十九歳なりしといへり。
※ 「江州」は、近江国。
※ 「益須郡」は、近江国の野洲郡。
![](https://assets.st-note.com/img/1702266298876-GecfWOwx3T.jpg?width=800)
平相國 清盛
清盛は、忠盛の 一子なり。実は、白河帝の 御落胤にして、母は 祇園の 女御なり。
保元平治の 擾乱を平げてより、一門冨栄へて、官 太政 大臣 に 至り、一族高位を 踏で、三十余国を 領し、威権天使を 凌ぐに 至り、暴行 日々に 増長なす 故、子孫 一門 西海の 浪に 沈むといへど、清盛は 眼中 烏晴 大にして、眼を 開くときは、白眼 ● しに見へ、鼻 大に 肉ありて、口は 口の 字のごとく、耳 長大にして、古今の 福相也しとかや。宜成かな、人臣の 司にいたりて、一生我意を ■ にして 終る。 [■は放+心]
※ 「烏晴」は、そのふりがなから 眼睛のことと思われます。目の黒目部分、瞳のこと。
![](https://assets.st-note.com/img/1702266298886-P3yyDGREIa.jpg?width=800)
佐馬頭 義朝
義朝は、六条 判官 為義の 嫡男なり。
其 相、勇然たれど、眉薄く、毛上へ 生へ 所々 抜たるやうにて、小眼にして、耳とがり、言いふ 時、共に 耳動きしといへり。是、父子兄弟 別れ/\になり、恨を 結んで、刃傷に 及ぶ 相ありしとかや。是、安倍の泰成の 傳なり。
當れるかな、保元の 大乱に 勅命とは 言ながら、父 為義 并 に 舎弟らを 情なくも 謀して 殺すゆへに、天罰 速 にして、平治の亂には 家臣 長田の 為に、正月三日 湯殿にて 殺さるゝ。時に、年 三十八才なり。後に、正二位 内大臣の 贈官を給ふ。
※ 「安倍の泰成」は、平安時代末期の陰陽師。
※ 「贈官」は、生前功績のあった人に、死後、朝廷から官職を贈ること。
![](https://assets.st-note.com/img/1702266298830-Cg5uy0NqVa.jpg?width=800)
常盤御前
常盤は、義朝の 妻にして、尾州 熱田の 大宮司 末憲の 妹なり。近衛院の 御時、容顔美麗の 女を 召れんとて、五百人の内より 只一人 撰 出されしほどの 美人なりければ、義朝 亡びて 後、清盛 是を 妾となして 女子を 産しむ 故に、今若、音若、牛若の 三子を 助く。
後に、此 牛若の 為に、さしもの 平家も 一朝に 亡ぶるは、仇の 妾となりし 常盤の 功也。然れば 〔一行判読できず〕 とかや。是 夫を 換るの 相なりと 聞り。
※ 「さしもの」は、あれほどの、さすがのという意。
『武者鑑』の人物一覧はこちら
→ 【人相学】『武者鑑』人物まとめ 👀
筆者注 ●は解読できなかった文字を意味しています。
新しく解読できた文字や誤字・誤読に気づいたときは適宜更新します。詳しくは「自己紹介/免責事項」をお読みください。📖