見出し画像

超短編小説#14 「おままごと」

幼稚園児の頃、友達の陽介くんと一緒におままごとをした。幼稚園児だったので男の子と遊ぶことを全く恥ずかしがっていなかった。
私がお母さん役、陽介くんがお父さん役、私が持っていたぬいぐるみの女の子を子供にした。私がちゃぶ台におもちゃのハンバーグやサラダを並べ、陽介くんと一緒におもちゃのフォークを使ってそれを食べる。
もちろん、おもちゃなので食べたフリなのだが…。
そして、食事が終わったら家事だ。タンスから適当に服を持ってきて、それをカゴに入れ洗濯物風にする。カゴを持って洗濯物を干しに行こうとしたとこで、うっかりぬいぐるみを踏みつけてそのまま腕を体と離してしまった。気づいた時には腕が外れた部分からワタがはみ出しており、それを陽介くんに報告して一旦帰ろうという事になり、お母さんにもこの事を報告して外れたところを縫ってもらった。

そして、現在。
私は陽介くんとそっくりな男性と結婚し娘も無事産まれ、幸せな生活を送っている。
夕食にご飯にハンバーグとサラダを食べ、夫が食器を片付けているのでその間に洗濯をしようと思い洗濯物をカゴに入れた。
そして、洗濯物を干そうとしていると足にぐにぃ、という感覚が伝わった。音は無かったが、そういう感覚なのだ。
気になったので下を見てみると娘の腕を踏みつけているではないか!娘がいまにも泣き出しそうな顔をしているがもう遅い。私はそのまま歩いて娘の腕を


よろしければぜひサポートお願いします!活動やらなんやらの為だとか他のクリエイターさんのサポートに消費させていただきます