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【髭男の謎】Pretender の世界線は 0.47481 (仮説)

Official髭男dism はサービス精神旺盛だ。曲の中で、ライブの中で、あらゆるところで楽しい「仕掛け」を施してくれる。
今日はその「仕掛け」の一つだと思われる、髭男の謎に迫ってみたい。

***

1.導入

髭男の最新アルバムといえば「Traveler」なのだが、その中に「052519」という10秒だけの曲がある。たららーんたらんたららららら、たららーんたらんたららららら、という、あの「Pretender」、泣く子も黙りそして歌い出す、あの「Pretender」のイントロのギターリフ10秒を切り取った曲である。

それが、次曲「Pretender」の前に配置されている。「052519」というタイトルで。なにも知らずに聴いていたら、「あれ、Pretender の前奏ちょっと長いな?なんでかな?大ちゃん(ギター)ってば、おっちょこちょいなんだからもう(ほっこり)」ぐらいで聞き逃しそうに…

ならない。

すごく意味深。

意味深すぎて興奮してきちゃう。

もしや…

もしやこれは挑戦状?

というわけで私は興奮しました。これは髭男からファンへの挑戦状だと受け取りました。勝手に受け取りました。

楽曲「0515129」が何なのか、絶対に突き止めてやる!

熱い闘志を胸に、私は先の見えない旅に出ることにしました。

2.下調べ

まずは下調べから。
Uta-Net さんのインタビュー記事で、Pretender についてのさとっちゃん(ヴォーカル)のコメントがありました。それによると、

”歌詞の「世界線」という言葉は、アニメ「STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)」からインスパイアされたもので、パラレルワールドみたいなもの。”

とのこと。アニメ・ゲーム音痴の私にいきなりの試練。どうやら内容は、

”主人公はその世界線を越えて世界を変えようとする。”

というものらしい。

”CDジャケットも、シュタインズ・ゲート(以下シュタゲ)に出てくる、ダイバージェンスメーターという世界線の変動を示すメーターのイメージで作っている。”

うおん。ガチガチのシュタゲファンじゃないですか。
ついていけるかしら。もう既に不安。

”その世界線の変動値が1を越えると、世界線が変わる”
”「このジャケットの場合は 0.52519 なのでまだほど遠いですね」”

ということらしい。なるほど、052519 は、0.52519 なんですね。
確かに Pretender では、「僕」は「君」の運命の人になり得ない。違う世界線を選びたいと嘆きまくっている。可哀想だが正直、全く世界線を越えられそうにない。変動率 1 に届きそうもない。確かに。

そこまではいい。
じゃあなんで 0.33333 とか、0.55555 とかじゃなかったんですか?
0.52519 という並びの意味は?

問題はそこだ。
その答えを探すべく、ネットの海をさまよい、漂い、そして遭難する私。全然答えが見当たらない。そしてついに衝撃的な記述を発見する。

”ニキシー管の数字の意味は、ご自由にお任せ……とのことでした。”
(出典:J-WAVE NEWS 

来ました。やはりこれは髭男からの挑戦状。
良いでしょう。
ご自由にお任せされましょう。


3.カオス理論から考える

私がまず最初に思い浮かんだのは、「ギター小笹大輔さん(大ちゃん)の専攻していたカオス理論」。そう、髭男のギター大ちゃんは、めちゃんこ頭が良い。先日のインスタライブで「ビュー数が減ってる(笑)」という話題の時に「○%…」とノータイムで減少割合を呟いていたのを見ました。私は見ました。やはり数字にお強い。
だから…

メンバー:「Pretender の世界線の変動率っていくつだろう」
メンバー:「大輔、カオス理論で出してよ」

そういう可能性。
カオス理論から算出された可能性。
ありそう。大いにありそう。

算出過程の説明がややこしすぎるから、「ご自由にお任せ」と言うことにした可能性。
ありそう。大いにありそう。

(大ちゃんは一番ひだり)


というわけで私は、大ちゃんが執筆したと思われる、松江工業高等専門学校の専攻のページ(リンク切れ)にたどり着いた。記事の題名は「カオス理論を応用した人工神経回路網」。やばい。しょっぱなから振り切られそう。
神経回路網を計算で出すの?そういう世界なの?まずその世界線、私のいる世界線と同じ世界線?大丈夫かしら?白目をむきながら読む。

 ”初期状態(αと最初のxの値)が決まれば計算で求められるにもかかわらず,複雑な振る舞いを見せる現象をカオスと呼びます.”

なるほど、難しいけど分かりやすい。頭のいい人は説明も分かりやすいの典型。そしてこの「,」と「.」は、理系の論文書く人あるある。


ということで、なんとなく論文も探してみる。
あった。その名も、カオス的に休憩するホップフィールドニューラルネットワーク。うん、わからん。論文の題名が一発で頭に入ってこないのも、論文あるある。でも分からないなりに、「カオス的に休憩するホップ」というフレーズが何だかかわいい。一曲書いてほしい。カオス的に休憩するホップちゃんの曲。「ちょっと休憩してくるわ。カオス的に」とか言うホップちゃん。かわいい。私もカオス的に休憩したい。

私の読解力によると論文は、「脳神経回路のシュミレーションには収束してしまうっちゅう問題があって、直接ノイズ放り込むやり方が一般的やけど、今回はなんかうまいこと判別してうまいこと分岐さすから、まあ見ててえや」、みたいな概要だった。
はえーしゅっごい。
はえーしゅっごい、っていうコメントしか思いつかない私の脳神経回路。至るところで早々に収束してしまっているに違いないので、大ちゃんにシュミレーションし直してほしい。

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さてこのへんで元の命題に戻ると、脳神経回路はともかくも、カオス理論自体は「運命」とかなり親和性が高そうだ。理論的には予測可能な運命だけれども、ほんの小さなことで大きくその結末を変え、信じられないくらい複雑多様なルートを生みカオスとなる

うん、ありそう。出会えない運命をカオス理論で算出、ありそう。
よっしゃ!!!
カオス理論の「0.52519」を捜索や!!!
どっかに 0.52519 に収束する式やグラフがあるはずや!!!

と、飛び立って 30 分。
無事、撃沈しました。
当たり前でした。分かるわけがない。

そもそも、「Pretender」の初期値って何なん。二人はどこから始まったん。それも分からんのに、闇雲にカオス理論の呪文のような公式見つめてても、埒が明かん。そういや私、理系しんどなって文転したんやったわ。あかんあかん、知恵熱出てまう。退散!


4.アルバムの並びを考える

というわけで、いったんカオス理論から離れてみることに。
もう一度、そもそものところから考え直してみよう。

アルバム「Traveler」の中に佇む、「052519」を見つめる私。
お前はなんでそこにいる。なんの使命をもってそこにいるんだ。
何らかの意図をもって Pretender に添えられたに違いない、「052519」。 Pretender と一体化している、「052519」。

そこではたと気がついた。

もしかして、0.52519 って、Pretender の世界線の変動率ではないのか?

もしかして。

もしかして、もしかして、もしかして。

052519 は「世界線を越えられない Pretender のために、髭男メンバーがプラスしてあげた数値」、だったりするのか?

Pretender にくっつけて、足して 1 になるように、世界線を越えられるように、配置された「052519」なのか?

つまり Pretender そのものの世界線の変動率は、1 − 0.52519 = 0.47481 なのか?

そんな…優しすぎる。
優しすぎるでしょ。
でも髭男は優しいのだ。ありえる。

アルバム曲を、もう一度眺める。

「イエスタデイ」「宿命」「Amazing」と、強く生きる系の曲に始まり、「Rowan」「バッドフォーミー」「最後の恋煩い」と、恋愛系の曲が続く。そして「ビンテージ」「Stand By You」ときずな系の曲がきて、「FIRE GROUND」で火柱がゴオーッと上がり、一区切り

そこから、「旅は道連れ」「052519」「Pretender」「ラストソング」「Travelers」と続き、アルバムは幕を閉じる。

この終盤をどう見るか。
「旅は道連れ」は、髭男全員が歌い、一緒に旅に出る。「ラストソング」では、ライブが終わるのが寂しいよと歌ってくれる。「Travelers」では、旅が終わってもまた次の旅に出るからね、大事に持っててね、と歌い、アルバムをシメる。

その間に入る、「052519」「Pretender」。
温かいラインナップの中にぽつんと佇む、「世界線を越えられない僕」の歌(Pretender)。見ようによっては違和感がある。

けれど。

これがもし、「越えられない世界線(Pretender)を越えて(052519)旅をする僕ら」という意味なら。

全てがつながる。

髭男は音楽という旅に出て(旅は道連れ)、越えられない世界線(Pretender)をも越えて(052519)たくさんのものに出会い、別れや終わりを惜しみながらも(ラストソング)、再会にむけてまた次の旅を始める(Travelers)。

それが、アルバム「Traveler」のメッセージだというのなら。

かっこよすぎる。
かっこよすぎるでしょ。
でも髭男はかっこいいのだ。ありえる。


5.どこかの世界線へ行くための、052519

そして私は検証に乗り出した。
Pretender と 0.47481 をつなぐ手がかりを探し、ネットの海を徘徊し、ふたたび迷子になった。カオス理論、何かの型番、色彩コード、大ちゃんが買ったというアンプ、CDジャケット。ことごとく引っかからなかった。

しょんぼりしながら、私は思い至った。
もしかすると、たどり着くべき数値は 1 じゃないのかもしれない。

ここは一つ、原点シュタゲに戻ろう。
シュタゲの世界に、目指すべき世界線があるのかもしれない。
シュタゲのどこかに出てくる悲しい世界線から、いい感じの世界線にたどり着くための変動率の差分が、0.52519 なのかもしれない

かくして私は、シュタゲの世界線変動率一覧のページにたどり着いた。ありがとうございます。数値を拝借いたします。

全部で 21 ある、世界線変動率をタテ・ヨコに並べる。
よろしくスプレッドシートちゃん。
全部の差分を計算してください。

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サンキュー!
そして検索、どん!

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撃沈!

0.52519 に一致するエントリはありません!

うわーーーーん!!!

意味なかったーーーーー!!!

このシート意味なかったーーーーー!!

私はいったい何をやっているんだーーーーー!!

謎のシートが出来上がってしまったーーーーー!!

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違いました。目論見は外れました。
いよいよいじける私。
表を見ながら気づいた。
シュタゲの変動率の数値は7ケタなのに、髭男の「052519」は6ケタ

これは…シュタゲ関係なさそう…
もちろん、0.525190 という可能性もあるだろうけど、だとしたらちゃんと「0525190」と表記されている気がする。数字に強い人ならそうする気がする…。


6.闘いの結末

そんなわけで、数値にシュタゲは関係なさそうだし、「どこかの世界線に辿り着くための変動率 0.52519( 1 にたどり着くなら Pretenderの世界線の変動率は 0.47481 )」という仮説は立証できなかった
悲しい。
万策尽きた。
私も力尽きた。
休憩したい。カオス的に休憩したい。

というかそもそものところ、052519 の数字の配列に、意味などないのかも知れない。メンバーが何となく思いついた数字を、ぽんぽんと並べただけなのかもしれない。サイコロを振っただけかもしれない。

おおらかすぎる。
おおらかすぎるでしょ。
でも髭男はおおらかなのだ。ありえる。


だけど!!!

だけどッ…!!!

やっぱり私は、「運命の人は僕じゃない」と嘆く Pretender (変動率 0.47481 )に、052519(変動率 0.52519 )が加わることによって変動率が 1 になり、晴れて「僕が運命の人になれる世界線」にたどり着くストーリーを、髭男メンバーが演出してくれた、という仮説を信じたい。

髭男は旅に出て、あらゆる世界線を越え、別れを惜しみながらもまた、次の出会いに向けて旅を続ける。

そんなメッセージなんじゃないかと、今日も私はひとり、妄想を膨らませるのだ。

***

というわけで、残念ながら 052519 の謎は究明されませんでした。無念。

けれど私は、「 Pretender の世界線は 0.47481 説」がどうしても気に入ったので、誰かこれを見た髭男ブラザーズさんたち、なんとかしてこの仮説を立証してください。もうこじつけでも何でもいい…誰か…私の骨を拾って…。

以上、骨るいすでした。




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いつもありがとうのかたも、はじめましてのかたも、お読みいただきありがとうございます。 数多の情報の中で、大切な時間を割いて読んでくださったこと、とてもとても嬉しいです。 あなたの今日が良い日でありますように!!