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Zhang et al. (2022, PeerJ)の経緯

またも完全に内部の授業説明向けです。大した話ではないものの,やはり忘れない間に書き出して置いとくメリット重視で。

これ(ら)↓についての話です。
Zhang, L., Yan, M., Takashima, K., Guo, W., & Yamada, Y. (2020). The effect of COVID-19 pandemic on health care workers’ anxiety: Protocol for a meta-analysis. JMIR Research Protocols, 9(11):e24136.

Zhang, L., Yan, M., Takashima, K., Guo, W., & Yamada, Y. (2022). The effect of the COVID-19 pandemic on health care workers’ anxiety levels: A meta-analysis. PeerJ, 10:e13225.

コロナ禍になって医療従事者のストレス等が増してるんじゃないか,とする論文がめちゃくちゃ出るようになってきたことから,それらの効果量や出版バイアス等をメタアナリシスして調べてみたという研究です。特に有査読の雑誌論文と無査読のプレプリントで何か違うのかを検討してみました。まあ結果として有意差はなく,一定の結論に達することが難しかったのですが,まあ考察では淡々と言えることだけを述べております。

なんで似てるのが2本あるのかというと,1本目はレジレポ第1段階なんです。この時点で査読を受け,まずはプロトコル論文として掲載されました。うれしかったです。しかしそっからデータを集めて分析して考察書いて第2段階を投稿すると,なぜかリジェクト!確固たる結論の出せぬ研究は載せられないとのこと。いや分析のやり方とかは査読で精査して決めたんじゃん!と思ったのですがあちらさんは一切許してくれず。その後JMIR姉妹誌をたらい回しにされリジェクトのフルバーニアンを堪能した後,そこら辺に放り捨てられました。レジレポの意味ないだろこれ。いやすみません。まあそういうわけで皆で泣いたりしたあと,PeerJにカスケード査読の資料も付けつつ第2段階を持ち込みました。すると査読してくれるとのこと!ありがたすぎる。PeerJさんは本当に融通の効くお方でした。ということでそこそこのラウンドの査読の後になんとかアクセプトされました。結果的に第1段階と第2段階で雑誌をまたぐという初の経験をしました。これはこれで勉強になった。

さて,今回行ったメタアナリシスは学生さんたちと一緒に勉強しながらやったものなので,素人臭い部分がかなりあったと思います。これは本当に申し訳ない。異質性とか異常ですよね。理解はしております。すいません。今回は完遂することを目標として実施しましたので,一応その目標は達したのですが(実は以前,別の学生さんチームとメタアナリシスだけを実施したことはあるのですが,表に出る前で頓挫してしまった),やっぱりクオリティを上げていかないといけないと思いました。もっと勉強と練習をします。そしていつかまた慎重にリベンジします。

こちらもだいたい2年近く(713日)かかりましたね・・・途中の第2段階衝撃リジェクト後に少し彷徨った時間があった。ガチでいろんな経験ができて,思い出深い研究となりました。コロナで実験ができない中,やれそうな実践の一つかと思います。参考になりましたら幸いです。

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