子どもの視点

息子は、数日経ってから、学校であったこと、気になったことなどを話してくれることが度々あります。
この日もまた、数日前に見たことについて話してくれたのですが。
私が聞いてから数日経ってるので、数日前に聞いた数日前の話…。
早速ややこしいですね。すみません。
今日もお付き合いいただければ幸いです。


小学校からの帰り道、同じ小学校の男の子が道端でお父さんに酷く怒鳴られていて、その一連の流れを見ていたらしい息子。
学校から帰宅後、ふと思い出したのか、「あの日な、こんなことがあってん、」と、話し出しました。

「おむかえに来たお父さんが、『行くぞ!』とかなんとか、声かけはって、帰ろうとしてはった、でも、男の子は、聞こえてなかったんじゃないかな、」

間を空けずに、身振り手振りを駆使して話し続ける。

「男の子は、反対方向行くか、なんか、ちがう動きをして、そしたらお父さんが、聞いてへんのか!!聞けや!!ゴルァ!!!みたいな感じで、めっちゃいっぱい怒鳴らはった。道に響いてた。」


心配だね。それは。
うちもよく怒鳴るし偏屈な人だから、お母さんもご苦労されているだろうな、とか、お節介心も働いてしまう。


「ぼくやったらな、」


うん。


「手、つないであげる。そしたら、聞こえてなくても、わかるやろ?こっち行くよ、って。」


うん。そうだね。わかると思うよ。


危ないからこそ怒鳴る、っていうこともあるけど、それにしたって怒鳴り過ぎだったようで、怒鳴るんじゃなくて…と、自分の考えを話してくれました。

息子の言葉に、身体がじんわり、なんだか込み上げてくるものがありました。

いつの間にこんなにちゃんと…
優しいのは前から知ってたけど、
気付いて、見て、ちゃんと考えて。
気付かざるを得ないぐらい響いてたんだろうけど。
それにしても、成長したな、知らん間に成長しとるな、と、思いました。


ちょっと前まで、「今日学校どうだった?何があった?」と聞いても、「わからへん。」の一点張りだった息子。
生活面・学習面共に難ありな息子は、悪いことをするわけではないのですが、なかなか色々起こります。
おかげで毎年、担任ではない先生方とも仲良くなれます。
いいんだか悪いんだか。

「わからへん!?5時間も6時間もあって、なんか一つでも(記憶に)残ってることないの?」

「うーん?わすれた。」

「忘れた!?全部??」

「うん。ぜんぶ。」

「隠してない?」

「かくしてないで!ぼく、たのしいけど、わすれるねん!ぼくのこと、だれやと思ってる??2秒でわすれる男やぞっ!!」

「自信満々に言うことかいな。」

って、会話してたのに。
そこから段々、これ何?と聞くと、“あ、それ、アレや!!”から、“今日は学校でこんなんしたよ”と話せるようになり、


“こんな事があった”

“ぼくだったら”


こっちが質問する前から、自分から話せるようになった。
10年か。
母は感動しています。

もちろん、まだまだこっちから聞き出さないと、とんでもないこと忘れてたりもするし、手伝わないと出来ないこともまだまだ多い。
それでも、一歩の幅が、ぐんと伸びたように感じられた日でした。


毎日、宿題のノート開いた瞬間、口開けて寝出すのは、なんかもう、まじないにでもかかってんのかな、ってぐらい変わらないけど。

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