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部屋干しと電気風呂。

部屋の隙間にぶら下がる、冬の洗濯物。洗濯は夜済ます派で、風呂上がりに洗濯回したいし、干しに行くのは、湯上がりの身体。寒空干すのは億劫だし、乾燥を防ぐと建前も出来、部屋干し習慣化。

昼間のことを思い出していた。精悍な顔つきで、手先を動かして電子回路を組み合わせて物を作る青年。筆を走らせ絵を描いて、ああ、違うと頭を抱えて落ち込む女の子。繊細で危うくて、眩しく強い、若い感性。どこまでもどこまでも届くだろう、光の線。

私は老化してしまった。振る舞い方を知ってしまい、何かに触れて傷ついたとしたも、そのうち、どうとでも回復することを知ってしまっている。知らない、危うい、あの強さ、若さ、とても、とても眩しい。

空を見たくなり、結局、ベランダに出た。洗濯物がなかったから、その分空はよく見えた。星はそんなに見えないが、昼の残像がまだあった。身体が、少し冷えた。

タオルを一枚持って、近所の銭湯に駆けた。家の湯を溜めたのに、450円使った。電気風呂に入り、身体をチクチクと刺激した。厚くなった面の皮、きちんと痛んで、まだ、いける。



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