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プロレスリングノア〜N-1【DAY4-1】中嶋VS谷口

いよいよ中盤戦を迎えたプロレスリングノアのN-1。この日は後楽園ホールでの昼夜興行という実験的な試みの興行でした。その昼の部ですが、私が最も気になったのは中嶋VS谷口です。優勝候補の中嶋と、これまで躍進が期待されながらも中々結果を出せない谷口の対戦。試合の序盤は両者の勢いの差がそのまま出た形となりました。中嶋は得意のキックで谷口にダメージを与え、あわやリングアウト負け寸前まで追い込みました。中嶋はその谷口をリングに戻し、さらに攻撃を加えます。谷口も必死に中嶋の攻撃を受け止めますが、谷口にとって厳しい時間が続きます。反撃のためにトップロープからのマイバッハプレスを狙うも、中嶋の剣山の前に流れに乗れません。

しかしその剣山の場面あたりから谷口が勢いを掴み始めます。中嶋の打撃何発食らっても全てを受け止め、ダイヤモンドボムを狙う中嶋に雄叫びをあげたヘッドバットで反撃。そこから藤田和之を思わせる顔面へのサッカーボールキックで完全に試合の流れを掌握します。マイバッハプレスこそキックアウトされますが、再びのサッカーボールキックで中嶋からダウンを奪いフォール。見事に3カウントで谷口が勝利を掴みました。

プロレスはエンターテイメントです。洗練された技が観客を引きつけるのは確かです。しかしプロレスはエンターテイメントであり、戦いでもあります。相手に絶対に勝つという闘志がそうした洗練された技術を超越することもあります。この試合はまさにそうでした。次代は異なりますが、谷口のフィニッシュのサッカーボールキックは、あの97年1月の三沢VS小橋で三沢が最後に繰り出した雄叫びのランニングエルボーを彷彿とさせてくれました。

不格好でもいい。華麗じゃなくてもいい。良い試合をしようなんて思わなくてもいい。谷口は恵まれた体格と確かな技術を持っています。それを全部吐き出す。谷口が引き出しの中身を全て出し切ったことがこの素晴らしい試合につながったのだと思いました。

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