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N-1 VICTORY2022【DAY1】藤田和之VS潮崎豪〜1勝の持つ意味

トップ画像は@shun064さんの作品です。

プロレスリング・ノアのN-1 VICTORY【DAY1】。開幕戦で私が気になった試合はメインイベントの藤田和之VS潮崎豪の一戦です。20年には無観客試合として行われ。22年も4月に一度は再戦が決まったものの。当時の王者藤田和之の欠場により流れたカードがN-1開幕戦のメインイベントにラインナップされました。

前回は30分間の刺殺戦があった試合ですがこの日は藤田がまずは一歩前に出ます。褐色に焼けた黒い肌と精悍な口ひげを蓄えた藤田はグラウンドでの攻防を序盤に選択します。藤田は巧みな技術と自身の体重を活かして潮崎をコントロールしていきました。その後両者スタンドの勝負となりますが、そこでも藤田は潮崎のショルダータックルを一歩も引かずに受けきりました。

リング内の攻防を一旦リセットしての場外戦。ここではまず潮崎が反撃します。鉄柵や鉄柱を用いた攻撃で藤田を攻めて。一度藤田をリング内に戻した潮崎。しかしその一瞬をねらったのが藤田でした。藤田はエプロンからリングに戻る潮崎へ強烈なショルダータックルを見舞い、潮崎を場外に突き落としました。

藤田の攻撃はまだ続きます。リング内に潮崎を戻すと逆エビ固め。監獄固め→四の字固めで潮崎を徹底してそして鬼の形相で攻めます。潮崎の反撃はここから。リング中央での藤田とのブレンバスター勝負に勝ち藤田を投げる潮崎。続く藤田のエルボーと潮崎のチョップ合戦。これを制した潮崎はフィッシャーマンズスープレックスで藤田を投げます。

目まぐるしく攻守が入れ替わり勝負はいよいよ終盤へ。再びリング中央でチョップとエルボーを繰り出す両者。張り手でダウンした潮崎藤田のサッカーボールキックをガードしてついに豪腕ラリアットを藤田にミートさせます。さらにリミットブレイクとつなぎフォールへ。これは藤田がキックアウトしますが、潮崎がペースを掴んだかに見えました。再度のラリアットは返されるも必殺のショートレンジ式を狙う潮崎。しかし拳を固めた潮崎の一瞬のスキをついたのは藤田でした。藤田は潮崎をホールドしてバックドロップ一閃。リングに膝をつく潮崎へ藤田は更にサッカーボールキックと膝蹴り。そして最後はビーストボムで潮崎をリングに叩きつけました。この一撃で藤田は3カウントを奪い潮崎から勝利を奪い取りました。

試合後に藤田はリング上では語らず。バックステージで一言だけ発します。
「需要の問題」「結果が全て」。

藤田にとって不本意な形でGHCヘビー級のベルトを手放し。本人の言うように「最後列まで下がった状態」に置かれました。その序列を逆転できるのはリーグ戦の魅力です。そしてそれは潮崎も同じでした。6月に小島聡に敗れてからの失地回復を図る潮崎にとっても。リーグ戦、そしてAブロック優勝候補の藤田に勝つこと。それは大いなる意味を持っていました。結果は藤田の勝利。ライバルを下して一歩前進したのは藤田でした。大いなる1勝をもとに藤田はまず勢いに乗るでしょう。

結果が出た後にそれを覆すことはできません。であれば?潮崎ができることは残りの試合に懸けることでしょう。この敗北をただの1敗にするのか?それとも大きな1敗にしてしまうのか?敗れた潮崎にとっては次に結果を出すことがとても重要になります。相手の攻撃を受けきってその上で勝つという潮崎のスタイではシングルマッチのリーグ戦はとてつもない負荷がかかります。それでも尚スタイルを曲げすに貫き通すのか?おそらく潮崎はスタイルを曲げることはないでしょう。彼が彼であるために。

ハイレベルな開幕戦が終わり。次は8.13大阪での試合です。9月の大阪にブロック覇者として舞い戻るために。どの選手も負けられない戦いが続きます。


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