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変化を見せた王者〜HAYATA対吉岡世起

トップ画像は@shun064さんの作品です。

7月16日に開催されたプロレスリング・ノアの日本武道館大会。武藤敬司引退ロード等注目カードをはねのけてセミファイナルを飾ったのはGHCジュニアヘビー級王座戦。王者HAYATAと挑戦者吉岡世起の試合。プレビューはこちらです。

この試合を通じて私が感じたことはHAYATAの変化です。HAYATAの前回王者時代は、どちらかというと自分の領域に相手を引きずり込むという印象の試合が多かったです。一点集中攻撃に代表される論理に基づいた試合運びで相手を制圧する。相手に試合のペースを握らせずに勝利をおさめるという形ですね。

ですがこの試合(もっと言えば4.29両国で戴冠した以降)は、前回までとは少し異なる試合でした。吉岡のスピード感ある動き。そして破壊力抜群の打撃。こうした相手の技を堂々と受けきっていた。そんな印象です。自分の領域に引きずり込むのではなく。相手の領域に足を踏み込んで試合をする。これはかなりハードルが高い展開です。相手の得意な技を受ければそれだけ己のダメージも深くなり、勝利への道も遠くなります。しかしそうした要素があってもHAYATAは相手の攻撃を受けきりました。

吉岡のバズソーキックを受けたシーン。また試合終盤のHAYATAがヘデックを狙う→吉岡が踏ん張りクラッシュドライバーを繰り出したシーン。これを切り返さず正面から受けきったHAYATA。これまでであればそうした技を喰らわないように相手をコントロールしていたHAYATAですがそれをせず。相手の攻撃すべてを受けきって。なおかつ最後は自分の武器であるへデックで吉岡を沈める。まさに王者として堂々たる試合ぶりでした。相手を制圧することで示す強さから、相手のすべて受けきることで見せる強さへの変遷。私はそこの試合でその印象が特に強くなりました。

試合後のリング上でのマイクもそう。これまでは語らないことで自分をブランディングしていたHAYATAですが、この日は近藤修司のマイクを奪い取り自分の言葉で近藤を挑戦者として指名しました。またバックステージでもしっかりと語っています。前回の王者時代とは明らかに異なる姿を見せつつあるHAYATA。ノアジュニアというカテゴリだけではなく。プロレスリング・ノアの哲学として存在していた「相手の攻撃をすべて受けきって勝利する」という要素。それを継承しつつあるのが今のHAYATAなのかもしれません。次の近藤修司との試合。そして来る日にあるニンジャマックとの試合。そうした試合でも相手のすべてを引き出しHAYATAが勝利をおさめるのか?これからも注目したい防衛ロードですね。

試合映像はこちらから視聴可能です。


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