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12.31三冠戦 中嶋勝彦VS宮原健斗〜闘魂?王道?その先にあるのモノは?

いやーめっちゃ悔しいですねー。まさか宮原健斗が中嶋勝彦に敗戦とは…。この日の中嶋勝彦はたしかに強かったです。これまでの打撃メインのスタイルを微妙にマイナーチェンジしての宮原の右腕を徹底して攻める。腕攻め自体が最初から意図されたモノかはわかりませんが、試合中盤に宮原の腕をハイキックで狙撃した以降は徹底しての腕攻め。最終的にノーザンライトボムからのアームロックで宮原からギブアップを奪いますが、それ以外でも宮原が得意とする「場外戦で自分のペースを掴むこと」をさせずに封じたことは中嶋の宮原対策だったのやもしれません。

敗れた宮原も相変わらずのタフさと随所でのスピードアップが健在。特に試合終盤のブラックアウトと高さは彼の体力に裏付けられたモノ。タフさの面で言えばバーチカルスパイクを受けてもキックアウトしたところ。それは2000名を超えたファンからの万雷の健斗コールを受けた宮原なりの意地だったのか。

試合としては本当に面白いモノでした。ぼく個人として宮原がシングル戦2連敗ということの重さはかなりありますが…。しかし中嶋のスタイルチェンジ(闘魂スタイル=アントニオ猪木に寄せたこと)はある意味で「彼が過去を捨ててなりふり構わぬ状態にならねばならない相手が宮原だったこと」であるやもしれません。敗戦後に敗れた宮原が珍しく悔しさを露にしたように「宮原健斗と中嶋勝彦はお互いに他の相手とは異なる情念を持って戦う選手」であることははっきりしました。

しかし煽りVで宮原が「中嶋は団体を背負うことから逃げた」と述べたにも関わらず敗戦したことは切なかったですね…。「フリーとして身一つのほうが覚悟あった」となりかねないので…。

闘魂スタイルを掲げる中嶋は全日侵略を宣言していますが、一方でトラッシュトークは少なく(全日若手や宮原へのリスペクトなど)、彼が全日をどうしたいのかはいまいち読めません。全日を王道としてカウンターカルチャーとしての闘魂なのか?とはいえ今の全日がいわゆる王道であるとも言いにくい状況もあります。

いずれにせよ中嶋という強い王者がいることは事実です。1.3のデンプシーとの防衛戦はありますが、中嶋とデンプシーのどちらが勝つにしても全日の選手の奪還は必須。2023年に成長した本田竜輝、安齊勇馬、斉藤ブラザーズが名乗りを上げるのか?青柳優馬のリベンジか?かつて中嶋に対して誰よりも苦い想いを抱いた芦野祥太郎か?悔しさを露にしたNEXT宮原健斗か?…






いや?皆さん誰かを忘れてますよね?馬場秋山ラインの王道直系であり全日本プロレスの未来を背負っていた。2019年に宮原との2度の三冠戦を見た誰もが「全日本プロレスの未来だ」と思っていた。しかし一度は全日本プロレスから離れ。紆余曲折を経て赤から黒にコスチュームを変え。外敵として全日本プロレスに帰還した。

今は膝の大怪我からの復帰に向けて必死に努力をしている。王道中の王道であり、一方で外で戦うことの重みを知っている。つまり「団体を背負うこと」と「己の腕を突き詰めること」の両方を知る男。そうです。ぼくは彼こそが。野村直矢こそが三冠を取り戻してほしいと思っています。かつての第一王位継承者が出奔し、故郷の一大事に帰還。そんな2024年を見たいです!


※最後になりましたがこれにて「2023年の三冠戦全部書く」は終了となります。今年は本当に色々な出来事があり、ライフを削られることがたくさんありました…。しかし皆様の反応のお陰でなんとか完走することができました。本当にありがとうございます。

そりゃー好きなもんを見れないことが続けば愚痴の一つも言いたくなりますもんねー。でも清濁併せて自分の声を挙げてくれる全日本プロレスファンのことがぼくは大好きです。そんな大好きな皆さんと素敵な光景を見られることを信じて…。2024年もよろしくお願いします。


世界よ!俺達が全日本プロレスだ!

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