40代MBAサラリーマンサブ3ランナーが教える「超効率的サブ3実現法」-29

30km~35km

レースもいよいよ終盤に差し掛かります。マラソンはここからが本当の意味でのマラソンだと思います。ここまでの30kmは、30km以降のマラソンという競技を楽しむ(苦しむ?)ためのお膳立てでしかありません。

ハーフマラソンでも30km走でも味わえない、ここからの距離が、身体も心も限界に達し、今まで考えたことが無いような感情が出てきたり、自分の想いと裏腹に「歩け歩け」という気持ちが襲ってきたり、まぁ、自分との対話が異常に増えて何かと忙しい時間帯になります。

まず、よく言われるのは「30kmの壁」ですが、この壁は必ず来ます。27回フルマラソンを走っている立場からなのでそこそこ説得力を持って言いたいですが、不思議なくらい、この辺から脚が前に出づらくなったり、心拍がえらく上がってきたり、身体の変化を感じます

ここは最初からペースは落ちるもの、と決めて走っていますが、大体設定していたペース以上に落ち込むので、非常に苦しい区間となります。そんな苦しい区間で私がやっていることをいくつか挙げていきたいと思います。

走れていることに感謝し、幸せを感じる

と言っても、ほとんどが気持ちの問題ですが、まずは「五体満足に走れていることに対して最大限の感謝と幸せを感じる」です。

なんじゃそりゃ、と思うかもしれませんが、こんなに苦しい、でもこの場に立てて、不自由なく走れてるってめちゃくちゃ幸せな事じゃないの?と自分に言い聞かせています。

当然、怪我無く、病気なく、健康でいれたからこのレースに出れているし、この苦しみを味わうこともわかっていて走っているわけで、その前提に健康がある、満足に身体が動く状態である、ということに喜びを感じない手はないだろう、ということでここ3年ぐらいは常にこの区間辺りで自らに語り掛けるようにしています。結構効きます。

普段の練習コースと重ね合わせる

次に、残りの距離12kmちょっとを普段の練習で走っているコースに当てはめてみます。この辺の距離になると、「ゴールまであと何km」と逆算が始まります。ただ、逆算するだけでもいいですが、残り何kmがどれくらいだっけ?ということを自分なりに実感するために、いつも走っている練習コースの残り10kmってどこかな?とか「残り9km地点ってことは、あのセブンイレブンのところだな」みたいに、自分の慣れ親しんだコースと重ね合わせると、あとこれだけ走ればゴールだというのが見えてくるので、気持ちが楽になると思います。

と言っても「まだあれだけあるのか…」と逆効果にしようと思えばいくらでもできてしまうので、前向きになれるのであれば、という条件付きで試してみて下さい。

もうすぐ終わってしまうレースを残念がる

あとは、「もうすぐレースが終わっちゃう、寂しいな、最後まで楽しまないと」という気持ちに持っていくことです。振り返ってみると、このレースは出るのをずっと楽しみにして、待ちに待っていたレースなはずです。

これのためにトレーニングをしてきて、事前にしっかり戦略や計画を立てて、この日を楽しむためにやってきたんだ、と。それがあと1時間前後で終わっちゃうんだ、と。そういうことを考えると、最後まで楽しもう!という気持ちになってきます。

マラソンはメンタルのスポーツです。

それは、決して我慢ができるというメンタルの強さだけではなく、いかに頑張れるようにメンタルを切り替えられるか、コントロールできるかがキモです。メンタルは、自分の心の持ちようで如何様にでもなる、ということをマラソンが教えてくれます。これは何よりマラソンから得た一番の学びかもしれません。

35km~40km

残り7kmぐらいになると、先ほど書きましたが、日々の練習コースでの残り7kmというイメージと照らし合わせても、いよいよあと少し、という感覚になってきます。

とはいえ、極限状態に極めて近い状態で、呼吸も激しく、脚もがくがく、場合によっては、攣りそうになっているかもしれません。

でも、気持ち的にはもうすぐ終わり、ということもあるのか、私の過去のデータからもほとんどこの区間は30~35km区間よりも速いペースで走れています。なぜそれができているのか、論理的に説明することは難しいですが、私がやっていることを書いていきたいと思います。

後悔しない走りをする

まず、絶対やってほしいのは、非常に当たり前の話ですが、後悔しないだけの全力を振り絞る、ということです。マラソン完走後のあるあるですが、「今思えば、あそこをもうちょっと踏ん張ってればよかった」「今思えば、踏ん張れた気がする」という想いが巡ります。終わってからは何でも言えるのですが、その気持ちになりたくない!という強い気持ちを持って最後走ってほしいのです。

精神論極まりないですが、「自分に克つ(勝つ)」ということを一番考えるのがこの区間です。先日のnoteに書きましたが、15~20kmとか20~25km地点では、「欲を出さない」「頑張らない」がテーマでした。ここの区間は逆です。欲を出してください。頑張ってください。

例えば、ゴールしたら「Facebookにサブスリーできました!って投稿したい!」「優越感に浸ってビールを浴びるぐらい飲みたい」とか、何でもいいですが、貪欲に前進しましょう。

声を出すと力が出る

もう一つ、「声を出す」です。

呼吸が苦しい区間ですし、周囲にお構いなしで、声が出るくらい激しく呼吸をしてみて下さい。そして「なにくそ!負けるか!」という気持ちで叫んでもいいです

後半、私は結構叫んでます(笑)。「あー!!」とか「だー!!」とか、もう何でもいいんです。ただ明確に言えることは、声を出すと力が湧きます

これは、プロスポーツ選手とかでもそうですよね。テニスの試合でも、打つたびに叫んでいますし、ウエイトリフティングでも、持ち上げる瞬間や終わった後に雄たけびを上げています。

人間は「声を出す」という行為で、内なるパワーを引き出すことができると思っています。周囲もみんなギリギリで自分のことで精いっぱいで、他の人が叫んでようが何しようが、気にしていないはずです。そして、みんな、気持ちがわかるので理解してくれます。

ということで、全く迷惑じゃない(はず)ので、最後は声を出して、力を振り絞りましょう

残りの2.195kmは次回に持ち越します。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?