40代MBAサラリーマンサブ3ランナーが教える「超効率的サブ3実現法」-28

15km~20km

いよいよ、レースも中盤戦になりました。ペースは10km~15kmと同様、このレースでの最速ペースを保ちます。前回書いたように、ペースが同じ集団の中で、前のランナーの腰かお尻を見ながら、できる限り余計なことは考えずに、黙々と走ります。

この辺になってくると、不思議と身体に余裕が出てきて、「このペースでずっと走れるんじゃないか?」という「全能感」と言っていいのかわかりませんが、そんな気持ちが襲ってきます。

いわゆる、「ランナーズハイ」という状態です。

ランナーズハイで調子に乗らない

この時に「今日はいけるかも」と調子に乗ると、この後どんでん返しが待っています。全能感を感じて、ペースを上げて「いける」と思ってた矢先に、いきなり疲労が襲ってきて一気にスローダウンということになりがちです。

この地点での全能感を感じてきたら、「きたきた。これだな。」と感じながら、体力をできる限りセーブし、これまでと同じペースで走り続けることを心掛けて下さい。

間違っても集団の先頭に出て、集団を引っ張ろうと思わないようにしてください。と言いながら、私はこれまで何度もこの状態に陥って、引っ張る側にしゃしゃり出てしまったことがありますので、自分の失敗を皆さんには味わってほしくないので、ここで言及させていただきます。

私のルーティンでは、15kmを過ぎた段階で、1本目のジェル(ザバスピットイン)の補給を行います。糖の塊のようなものですが、これを取ることで、疲労が回復して、身体が動くようになります。

私が全能感を感じると記載したのも、もしかすると私のルーティンが上記の要だから余計に感じることかもしれません。ここは個人差があるので、何度かフルマラソンを走って、区間ごとの自分の心と身体の変化を覚えておくと、次に生きてくると思います。

20km~25km

いよいよ、折り返し地点を通過するタイミングです。

中間点は必ず、それを知らせる看板とタイム計測がありますので、そこで今の自分のペースを確認しましょう。

あくまでも目安ですが、フルマラソンのゴールタイムは、中間地点のタイムの2.1倍ぐらいと思われますので、この地点で1時間26分以内では通過しておきたいところです(これには個人のレースペースなどによってまちまちですのであくまでも参考としてお考え下さい)。

中間点を過ぎたあたりで、今日の調子が見えてきます

まだ、身体も快調で全く疲れを感じない、脚が軽い、と思ったらその日のレースはおそらくいい感じで終えることができると思います。一方で10km辺りから上げたペースを保つのにいっぱいいっぱいになってきたら、今日はベストタイムやそのレースで狙っていたタイムが難しいかもしれない、と一旦受け止めてもいいと思います。

自分の身体の調子を冷静に判断する

これは、決して諦める、ということではなく、今の自分の状況を正しく認識し、この後の半分の距離をどう過ごすかということを冷静に考えるようにしてほしいということです。

レース中は、非常に辛い時間帯と、何故かその時間帯を抜けるとスッと力が出てくる時間帯があります。もちろん歩いてしまったり、急激にスローダウンするとレースは終わってしまうのでやってほしくないですが、少しきついかもしれないと感じたときには、無理して当初決めたペースに合わせて脚を出そうとするのではなく、今この瞬間に無理のないペースに少し落としてあげることが大切です。

ここでペースを落とすことで、30kmを越えてから再度ペースアップができる余地を残しておきます
逆にここで無理をしてペースに合わせようと躍起になってしまうと、レース全体を潰してしまうことになりかねません。

ペースを落とす勇気を持つことも、長いレース展開の中では、重要な事になります。この辺は日常生活や仕事にも通じるかもしれません。

私は、上記の2ケース(無理せずペースを落として、そのあと巻き返したケースと、ペースを守ることに躍起になってそのあと撃沈したケース)の両方を経験していますが、明らかに前者の方が、結局良い記録が出ますし、ゴール後の疲労感や清々しさが違います。

25km~30km

この区間は、以前から何度も紹介している岩本さんの本にも書かれていますが、本来最もペースを上げたい区間になります。

私もこの区間は意識的に頑張ってペースを上げる、またはこれまでのペースを保つことにチャレンジしていますが、正直どうしてもペースが落ちてくる区間です。

この辺の区間になってくると、それまで集団で走っていた塊が徐々にばらけてきます。また、注意が必要なのが、その集団のペースそのものが落ちてくる区間になりますので、集団についていってるから大丈夫、と思って時計を見ると、ペースが結構落ちている、ということになりかねません。要は、この区間から、集団走から個人走に切り替わってくるんだと捉えていただいて良いかと思います。

まずくてもジェルは飲む

25km地点で2本目のジェルを補給しますが、15kmほどの回復感はありません。そして、腰に巻いたジェルが体温で結構温まっているので、生温くて正直おいしさもありません。少し喉を通すのに力が必要ですが、ここは食べることが大事ですので、気分的には乗り気はしなくても、必ず採るようにしてください。

この区間でもまだ余力がある場合は、集団ではなく、一人ひとりを抜いていくように走っていきます。これまで一緒に集団で走ってきたランナーの皆さんは同志ではありますが、このタイミングでは、自分の方が元気があるぞという優越感をエネルギーに変えて、一人ひとり確実に抜いていくことに喜びを感じながら走っていきます。

この時はあまり、タイムを意識せず、ひとり、またひとり、とターゲットを決めて、抜いていくことを楽しむようにしてください。常にシンプルに考えて、2つ以上のことを同時に考えないようにした方が楽だと思います。

苦しいのはみんな一緒

逆に余力がなくなってきた場合は、頑張りつつも同じように落ちてきている人を見つけてできる限り並走しながら、無言でお互いを励ましあいながら走るといいと思います。

苦しいのはみんな一緒」です。お互い相当ギリギリの状態で戦っています。でも孤独に戦うのではなく、一緒に己に勝つために戦っている、と思えれば少しは気持ちが楽になるのではないでしょうか。

今回は以上です。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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