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デザインはいいけど作れない問題を考える

デザイナー事務所へ依頼して作って貰ったデータを実際に製作しようとしたら作れないと断られた。ということがあります。弊社にもこの様な相談は多いです。

この問題を考えると大きく次の2つの原因に分けることができるように思います。それが
『データが合わない』
『加工ができない』

の2点です。


データが合わない

基本的に加工にはCADデータを使用します。データのやり取りには中間ファイルを利用します。中間ファイルについてはこちら

この中間ファイルをやり取りする際にCADソフトのバージョンや設定の違いによってデータが開かないとか崩れるといった現象が起きます。

また、CG系のCADでモデリングをした場合や現物をスキャンした場合には中間ファイルがSTLデータになることがあります。製造の現場で使用する中間ファイルは基本的にはSTEPやIGSなのでポリゴン系のSTLは使用できないことが多いです。

そうなると製作の現場で加工データが作れないという状態が発生しますので、データを出す側が相手にあったデータで出力するか、データを受ける側で加工にあったデータに修正を行う必要があります。


加工ができない

一口に加工と言っても、素材は樹脂なのか金属なのか、方法は切削がなのか型なのかなど、様々な条件から最適な方法で加工を行う必要があり、その加工方法によって加工できる形状とできない形状があります。

例えば、
凹形状が深すぎて刃物が届かないとか、
金型で無理なアンダーカット形状をしているとか、
そういった具合です。

特に最近ではデザインモックを3Dプリンターで試作することが多く、実際の量産時の工法との違いから、3Dプリンターで試作はできたけど、型や切削ではできないという形状が多く見受けられます。

どの段階で加工のことを考慮するのかはその時々の判断によりますが、試作と量産では加工方法に違いがあることを認識しておくことが大切ですし、実際の量産時の加工方法を意識した設計を何処かの段階で行う必要があります。


ちなみに弊社では『STLデータを他のCADデータに変換』したり『デザインデータから製作することのできる設計データに修正』するなどに対応していますので、お困りの際はお気軽にお声掛けください(宣伝)