絵を描く
神戸Space Eauuuの「尾柳佳枝とみんなで絵を描く日」へとやって来た。
夕飯がお腹を膨らませてしまい、今回は身体が動かなかった。ソファに沈みながら、皆んなが描き終えて壁に貼りつけてある絵を眺めていた。
絵にその人らしさがどうしてもでちゃうのはいつも面白いなと感じる。しかしごちゃ混ぜであってもそれぞれの絵は、なんだか1人の人間ようにも見える。
ぼくも家の壁にキャンバスをテープで貼り付けて、たまに油絵具を載せたりしていたのだが、半年程前にストップしてしまった。描いてある絵に顔のようなものが浮かんでいるが、不思議と皆んなで描いた絵の方がよほど人間らしさが感じられる。
絵を眺めたその夜、ぼくは夢をみた。
突如、そいつは皆んなで絵を描く場のなかに入ってきた。
「おんどりゃおめぇわしにも描かせろやぁ、あ、こんばんは、どうぞよろしくお願い致します。」
皆んなで描いた絵の人だ。皆んなで描いた絵が皆んなで絵を描いている輪に加わる。それにしても言動が支離滅裂だ。彼は皆んなで描いた絵だからそんなだったのだ。
ぼくは彼のことが可笑しくて、笑ってしまった。自分の笑い声で半分目が覚めた。ああ夢だわー、と思いながら面白いから覚えておこう、と思ったのを覚えている。いま思い出してもそんなに面白くないので、なんであんなに笑ったのかは謎だ。ただ改めて考えてみると、あの支離滅裂さはやっぱり人間らしい。人間って、半年前に絵を描いていたと思ったら描かなくなったり、急に日記をコツコツ書きだしたり。真面目なのかふざけているのか。普段リアクション薄いやつにかぎって夢で爆笑したり。わりと支離滅裂なのだ。言葉は全部借りものだし。わたしもあなたも想像だし。
もう一度描き足せば、ぼくの絵は人間らしくなるだろうか。
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