映画『プリンセスと魔法のキス』感想(2010年4月3日記述)

※この記事は、過去に個人サイトのブログに掲載していたものを転載したものです。記述内容や感想は当時のものになります。ご了承ください。

※ほぼネタバレなしです。


『プリンセスと魔法のキス』観てきました


 これが、すごいいい出来なの!どれくらいかというと、いままで「ディズニー」の2Dアニメは苦手だった私が、その考えを改めなきゃいけないかもと思うくらい。

 お話はいたってシンプルでわかりやすく、動画と音楽が生き生きしていて、まさに子供向け映画の見本のような。
 特に音楽がいいんですよ。古き良きアメリカって感じの音楽がこれでもかって感じで襲ってきます。吹き替え板でしたが、ちゃんと唄える声優さん(俳優さん?)使ってて、耳にきもちよかったです。そんな曲にきれいにシンクロして動画が踊るのだから、気持ちよくないわけが無いですね。

 あと、個人的に最近の子供向けアニメでけっこう気になってる部分に、「悪役の存在」ってのがありまして。
 私は昔からPIXAR作品が大好きだったんですが、最近の『カーズ』『カール爺さん』に関しては、悪役(敵役)の設定に「?」とならざるを得なかったんですよ。

 『カーズ』の場合は、なんか敵役なんかより序盤の主役の方がよっぽど嫌なやつで、わざわざ主役を持ち上げるためだけに設定した敵役って感じが露骨すぎて、なんかしっくりきませんでした。個人的には主人公が負けて終わったほうがよかったんじゃないかとすら。

 『カール爺さん』にいたっては、「そこまで悪い人じゃない…というか、かわいそうな人だろ、この人」って感じで、たしかに狂気に振り回されて主人公達を襲ってくるので、主人公側としては必死に抵抗せざるを得ないのはわかるんですが、それにしても、ここまでされるほどひどい人ではなかったんじゃないか…?という思いで、ラストはカタルシスからどうも遠い
という印象でした。

 映画としては、後半アクションで盛り上げるために「敵」を設定するのがもっともポピュラーなやり方なのはわかりますが、最後にその敵がひどい目に合う(最悪死ぬ)場合、それが納得できるくらい「どうしようもなく悪い奴」に描いてくれないとどうしてもカタルシスにつながりません。
 ティーンになってから見る映画なら、もっと悪役に含みや深みを与えてもいいでしょうが、小さい子供向けの悪役は、徹底的にやってくれないと。  「悪人には悪人なりの事情」とか「正義は人の立場の数だけある」とか
多元的なことは、まずシンプルなモラルをきちんと習得してからの、次なるステップなはずですし。
 (ただし、コメディにでてくる「コミカルな悪役」はまたちょっと事情が違いますが、今回は割愛。)

 そういう意味合いにおいて、「プリンセスと~」の悪役はいい感じに悪役しておりました。なんせ悪魔と契約してるんですからw
 直接この映画の評価とはあまり関係ないですが、最近つらつらと思っていた事をまとめるいい機会になりました。

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