日記(ポチ)

今日は、飼い犬のポチを庭で遊ばせていると、

スコップをくわえて帰ってきた。

そして、付いてこいワンと私をいざなう。

アツいじゃんと思った。

スコップと犬、これはきっとここ掘れわんわん的なやつだ。

私は目をドルマークに変えながら、ポチについて行く。

黒目が大きいのでわかりにくかったが、よく見るとポチの目もドルマークになっていた。

アツい。

ポチは、庭から室内に入り、キッチンへ。

そして、スコップを私に手渡す。

私は困った。流石にキッチン、フローリングは掘れない。

ポチは、シンク下の1番下の引き出しに手をかける。

ここだ。

私はスコップを置き、引き出しを開ける。

お宝を入れた覚えは無いが、ここ掘れわんわんというのはそういうことだ。

ワクワクしながら引き出しを引く。

すると、乾麺などが出てきた。

ほう、と思った。

ポチはドルマークの目のまま、引き出しを漁り始める。

普段なら注意するが、今日はここ掘れわんわんだ、黙認する。

すると、ふと顔を上げるポチ。

見ると、口には「回鍋肉の素」の箱をくわえている。

「回鍋肉の素」を手にしたポチは、しっぽを振りながら嬉しそうに庭へ戻っていった。

ポチが行ってしまい、残されたのはスコップばかり。

私のドルマークになっていた目が普通の目に戻る。

庭のポチを見ると、穴を掘っている。

そして、「回鍋肉の素」をびわの木の横に埋めていく。

私は、引き出しを閉めダイニングテーブルでお茶を飲む。

スコップはあとで庭に返そう。


しばらくするとポチが帰ってきた。

ポチの目は相変わらずドルマークのままだ。

そしてポチは、全身から達成感に包まれたオーラを放っている。

自身がみなぎっている。

こんなポチを見るのは初めてだ。

びわの木には毎日水やりをしているが、

ポチもそんな感じなので、一応明日から回鍋肉の方にもやってみようと思う。

もし「回鍋肉のなる木」なら、アツい。

楽しみ。

ポチ大好き。

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