期待は裏切られる。
雨が続きますね。
雨の日の、ほんの一瞬の出来事を語り合いたいと思いました。
雨の日、車に乗っていると、雨の当たらない橋の下、高速道路の下を一瞬通る。
感じませんか。
ヒヤリ、ドキッと感。
雨の音が消える。
ワイパーがちょうど雨を流し落とすタイミングと重なったなら、フロントガラスが時間を止めたのかのように感じる。
大袈裟に言うと、あのドキッと感は、世界から見放されたんだという感覚だと思う。
降りしきる雨。
不規則ながらも、絶えず耳を塞ぎ続ける、打ち付ける音。
そこを選んで落ちてきたかと思うほど、次々とフロントガラスを埋め尽くす雨粒。
“次の瞬間”を忘れるほどに、連続的に私たちを取り巻く。
なのに訪れる“次の瞬間”。
“次の瞬間”全てが終わる。
音も、見えてた物も、全てに置いていかれる。と錯覚に陥る。
期待を裏切られたかのように感じる。
もともと、「そこに雨粒が落ちてきますよ」なんて誰かが言ったわけじゃないのに、“次の瞬間”を信じ込んでいる。
そして、あたかも、世界から裏切られたようにヒヤリ、ドキッとしてしまう。
と思う間も無く、またあの約束された連続性が帰ってくる。
そんな一瞬の出来事を、コマ送りにして、ゆっくり、じっくり語り合ってみたかった。
誰かと契約を結んだわけでもないのに、いつの間にやら、次を期待するようになり、喪失感を味わう。
それが時に、失う恋であったり、必然として生まれた怪我であったり、誰にも望まれなかった病気、たくさんのものを奪っていった災害なのかもしれない。
期待は裏切られる。
そういえば、この前、カメラを止めるな!を観ましたよ。