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理科はカラダ全体を使って理解する!肺、呼吸と気体の圧力

【理科 解剖生理 呼吸】
マスク時代の今、呼吸を意識することが多い。理科を学ぶ生徒・学生にとって空気や酸素という目に見えない気体の性質を学ぶときに、呼吸を考えてみると理解しやすい。

呼吸のモデルを横隔膜と風船を使って説明することが多い。大気圧や気体の性質を理科で習うが、まさに肺の体積と空気の圧力を調整していると考えると、理科のほうの理解も進む。

★大気圧と肺
ストローでジュースを飲むときの口の中の圧力は大気圧より低い。だからジュースがストロー内を上がって飲める。
単なる呼吸だけでなくゴリラが胸を広げて叩いて威嚇したり大きく見せようとしている時、肺の体積を大きくするために空気をたくさんいれた状態を保つので大気圧より肺の空気の圧力が高い。

★肺での酸素交換
肺で酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する。血液中の赤血球は酸素の圧力が高い空気からは酸素を取り込む。酸素濃度が低くなると十分に取り込めず、息苦しい。酸素濃度は変えずに大気圧を下げても取り込めず息が苦しい。高山病だ。
高地トレーニングは大気圧が低く酸素を取り込もうと心肺の筋肉が鍛えられる。その鍛えた状態で通常の大気圧でスポーツするとパフォーマンスが上がる。

★人工呼吸器と肺
人工呼吸器はカプセル内の圧力を上げ下げして肺の呼吸する力を補助する。
つまり、肺は大気圧より高い空気圧、低い空気圧を筋肉を使って作り、維持している。呼吸が浅い人は十分に空気圧を上げ下げできていない。
あくびは、酸素が取り込めない時に深呼吸の代わりという説がある。脳はたくさんの酸素を必要としている。深い呼吸、つまり十分に肺の圧力を上げ下げした呼吸をすると必要な酸素が取り込める。

★空気の温度
鼻から吸う呼吸は、鼻の血管を外気でクールダウンさせる作用もある。暑いと頭がぼおーっとするので、鼻からの深呼吸を涼しい場所でするのが効果的だ。

★呼吸と脳のハッキング・・・理科の視点
脳の働きをハッキングするような呼吸を考えるなら、鼻から吸う空気の温度や肺の中の圧力を意識することがヒントになる。
部屋の温度(暑いと気体の圧力が上がる)、
酸素濃度(部屋の中で炎があると酸素濃度が下がる)、
大気圧(低気圧の近い雨の日か高気圧の晴れの日か)、
筋肉(肺の圧力を高めるために筋肉で押さえつける)、
血流(心臓の動きを速めて血流を速めると酸素交換が速まる)。


どれも普通に無意識に行っていることだと思う。理科の知識でも裏付けできる。また、理科を学ぶときに身体的な感覚を使って理解すると分かりやすい。

マスクをしたまま呼吸をしていると、呼吸が浅くなりやすい。学生に限らず健康のためにしっかりと呼吸をしながら理科の視点を持つ助けにしてほしい。


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