幸せでありますように
えー、その場所に行くと思い出す。そんな今も変わらない場所があります。
それでも、たくさんの選択の中で今がある。
たらればは言いたくないですね。
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数年ぶりに来た夏まつり。タイムスリップしたかのように何も変わっていない。
入り口の近くには綿菓子屋さん、一番奥には射的と輪投げ。夜店の位置までおんなじだ。
子供の頃は夏まつりが楽しみで仕方なかった。夜に遊べるだけで特別だった。
それは中学、高校になっても楽しみだった。
いつの間にか大人になってしまったが、夏まつりに来るとあの頃に戻れる。
実際に戻れるなら、浴衣の彼女が待ってたあの日の夏まつりに戻りたい。
結局、待たせたまま会うことができずに別れてしまった。
あの日、仕事が片付かずに一緒に夏まつりに行く約束は果たせずのまま……
彼女は今どうしているだろう。
幸せであってほしい。
そんな事を思いながら、タコ焼きをほおばった。熱くて口から飛び出してしまったタコ焼きが転がった先に……
了
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