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3月読んだ本

2月の読んだ本アップし忘れごめんなさい。

今月も本当に本が読めず。
なんだかどんどん読めないレベルが上がっており、ますます読めてません(無念)。

2月の後半読んでいた本であまり好みに合わないかもと、このまま感想を言わなかったら察してくれと言っていた本があったんですが、それが最後まで読んでみたらすごくよかったんで、まずそれから紹介させてください。

『神よ、憐みたまえ』小池真理子 新潮文庫

これが700ページ以上ある大作だったんですが、最後の最後でそれまでの気持ち悪さや嫌な感じというのがすべてなくてはならないものだったということがわかり、すごいなと思いました。
詳しくはネタバレになるのであまり書けないのですが、主人公は修学旅行中に両親を殺されてしまう女の子で、でも犯人を探すミステリーというわけではなく(実際犯人は途中で明かされます)その子の人生を描いた濃厚なドラマという感じ。家政婦さんの家族が重要な役割で出てくるんだけれど、その家政婦はドラマになったら市原悦子か中村玉緒にやってほしいなと思うくらい(ベタ笑)、存在感たっぷりでとにかくいい人。この家族がいなければ本当に救いようもないほど暗い話になっていたかと思うけれど、主人公にこの家族が寄り添ってくれることによって人間味のあるドラマとなっている。そして主人公の女の子も自分の家族からの愛が受けられなかった代わりに、この家族からたっぷりの愛を注がれて育つので、そこまで影のないひとになっていくところもよくできていると感じました。最初は性的な描写が多々気になり、女を強調したり男を強調したりするその描写いるのかと思っていましたが、最後まで読んで納得の1冊でした。いや途中でやめなくてよかった。


2冊目は読書会の課題本
『夜明けを待つ』佐々涼子 集英社インターナショナル

こちらはやはり本当に読んで良かったと思えたノンフィクションエッセイでした。テーマは一貫して生と死。前半はショートコラムといった風の短いエッセイが並びます。ここは著者の佐々さんの日記を読んでいるようで、単純に面白かったし、それぞれ書かれていることもハッとすることばや、そんな視点でものを見たことなかったなと思うことが多く、またすごく共感するポイントも多くて、何度もグッときてしまいました。
後半は、親の母語と住んでる国の母語が違い、どちらもきちんと習得できないまま育ってしまう ”ダブルリミテッド” とよばれる子どもたちの話。
やはり言葉を習得できないままだと、感情が育たないという話がとても印象に残りました。心の中にある感情を言い表せないのではなく、そもそも感情が沸き起こらないということで、それってかなり怖いことだよなと思います。佐々さんもすごく問題視していてかなりのページ数をさいて書いていました。
メルマガの読書会の欄にも書きましたが、佐々さん自身がいつも自分のことを信頼しておらず、心に偏見があることを認めながら、それをなるべくフラットに直して書いていることが、わたしは1番この人の信頼できるところだと思います。ノンフィクションライターはわりと事実を書くということに焦点を置くかと思いますが、なんというか佐々さんはその事実さえも偏っていることを知っていると思います。本当に平等にフラットになんて書けないということも知っているから、その筆致は優しくてわたしたちの胸にささるんじゃないかなと思いました。
このあと、続けて『エンジェルフライト』『エンド・オブ・ライフ』も読んでいこうと思います。あとドラマも見てみないとですね!

今月は、ほんとごめんなさい。この2冊です。
毎月購入してる本の雑誌も全然読めておらず、また1月号から積読してますー。
4月はもう少し計画的に読み進めたい。がんばりますー!

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