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藍染ワークショップ レポート!


ワークショップ開催日:2024年5月19日(SUN)
企画①:藍染体験/藍染アーティスト イエレ

企画②:オリジナルTシャツをつくろう!
/はんがくらぶ×藍染アーティスト イエレ

場所 14:00~19:00 くすのき荘トナリ

文:はんがくらぶ(早川佳歩)+イエレ


いつもはカフェのお客さんや公園で遊ぶ子どもたちがちょっとひと息つくスポットとなっている「くすのき荘トナリ」
月に1度、7日の恒例行事 七輪の会場となったり、アコースティックライブが開催されたりと、日々様々な人々が集まるこの場所が、この日もみんなのワクワクな表情を集めました。

毎月くすのき荘で開催している版画ワークショップはんがくらぶと、木賃アパートの住民イエレのコラボレーションで「藍染体験」ワークショップが開催されました。

オランダから日本にやってきて木賃アパートに暮らすイエレは、徳島で出会った藍染の虜。いつも素敵な藍色の服を着て私たちに会いに来てくれます。(手や爪まで藍色だけど)
今回は、そんな彼がはじめてワークショップイベントを企画しました。
はんがくらぶとして、私もお手伝いさせていただいたので、その様子をお伝えします!

藍染とは…
日本の藍は伝統的に、青い染料の色素を含む藍の葉から作られていました。葉は収穫され、枝から分離されました。天然の藍を作るには、葉から色を引き出す方法や、葉を発酵させる方法など、さまざまな方法があります。伝統的な日本の藍(阿波藍)は、主に四国の徳島に起源があります。阿波藍は乾燥した葉を発酵させる技術を使用し、最終製品は「すくも」と呼ばれます。徳島の地理と気候は藍の植物に最適で、吉野川は藍の植物にとって肥沃な土壌を作りました。さらに、大阪では大規模な綿花生産が行われていたため、藍の需要が生まれました。
 日本での藍の生産は、室町時代(1338年 - 1573年)に始まったと考えられて います。需要は江戸時代(1603年 - 1867年)にさらに高まりました。阿波藍の需要がピークを迎えたのは1903年です。その後、海外からの藍染料の輸入や合成藍の発明により、天然藍の需要は徐々に減少していきました。

Japanese indigo was traditionally made from the indigo leaf, which contains the blue dye color. The leaves were harvested and separated from the branches. There are different ways to create natural indigo, some by drawing the color out of the leaves and others by fermenting the leaves. Traditional Japanese indigo (Awa indigo) mainly has its roots in Tokushima, Shikoku. Awa indigo uses the technique of fermenting the dried leaves, and the end product is called ‘sukumo’. The geography and climate of Tokushima were great for the indigo plants, and the Yoshino river made a fertile soil for the indigo plant. Besides, there was a large scale cotton production in Osaka, creating demand for indigo. 

The production of indigo in Japan was believed to have started in the Muromachi era (1338 - 1573). The demand grew more in the Edo era (1603 - 1867). The peak of Awa Indigo demand was in 1903. After this peak, the demand for natural indigo slowly declined due to foreign imports of indigo dye and the invention of synthetic indigo. 

(英文:イエレ 翻訳:Google翻訳)

今回の体験のコースは、、、、
Tシャツ おとな¥3,500-/こども¥2,500-
ストール ¥2,500-
てぬぐい、バンダナ、靴下¥2,000-
ご持参の品を染める場合 1gあたり¥10-
輪ゴムや紐などをつかって、布を絞り模様をつけます。
はんがくらぶとのコラボで「シルクスクリーンの版」をつかった「型染め」も同時開催。¥8,000-(Tシャツ代含む)

開始予定時刻の14:00になった途端、続々と参加を希望する皆さんがトナリにいらっしゃいました!皆さん、染めたい服やトートバッグなどを持ってどんな模様にしようかとイエレの作品を真剣に見つめます。つくりたい模様が決まってから作業にとりかかる方や、思うままに布に加工を施して染めてからのお楽しみ!という方も。

ビー玉や大豆、輪ゴムやロープを使って染まる模様を想像しながら布にどんどん加工を施します。
大きなパイプは何に使うのかな?と思ったら、なんと靴下を履かせちゃった!

準備ができたらいよいよ藍の液が登場です。
表面があわあわのぶくぶくで、不思議な匂いも漂ってきました。
イエレが言うには、この日の藍はとっても元気だったみたい!生き物みたいに液体に元気の違いがあるなんて、面白い。表面のぶくぶくは息をしている証拠なんですね。

エプロンをつけて、手袋をはめて(子ども達にはちょっとぶかぶかでしたね)

藍の液に漬けたら、時間との勝負!
「ちょっとくさ〜い」と言いながらも、真剣にタイマーで時間を測って、布が浮いてこないようにそっと沈めて…

タイマーが鳴ったら、液から布をとりだします。

あれれ?青くない、緑色。
ご安心を!
少し待つと、だんだん青くなってきました。
空気に触れると、酸素と反応して青くなります。
水につけて余分な藍を落としながら、結んでいた紐などを解いていきます。思っていた模様はできているかな?

素敵に染まりました!
参加してくださったみなさんの作品は最後にたくさんご紹介しますね!


また、今回ははんがくらぶとの特別コラボとして、藍染の模様付けに版画技法シルクスクリーンを組み合わせた体験コースも実施しました。

シルクスクリーンとは凸凹ではなく、「孔(あな)」をインクが通過して印刷する孔版(こうはん)という分類の版画技法。Tシャツのプリントなどが身近です。アート好きな方なら、「アンディーウォーホルのやっていた技法」というと伝わりやすいかも知れませんね。

藍染とのコラボということで、「型染め」という模様の付け方にシルクスクリーンを用いました。型染めとは、白く残したい絵柄をくり抜いた型紙をつかって布にマスキングの糊を塗ってから染める技法です。まさに孔版!

白くなるところを版(型)にするため、ネガとポジが頭のなかでぐるぐる…。普段から絵を描くことが好きな方にとっても、ちょっと難しかったようです。

好きな絵を専用のペンで描きます。描いたところが今回は白くなります。

版が完成したら、染めたい布に「糊」をつかって絵柄を刷ります。この糊がマスキングとなって、藍の液が染み込むのを防ぎ白いまま残ります。

糊が取れないように慎重に染めたら…


完成!

くすのき荘1階のアトリエユーザー凛くんこと、彫刻家の中西凛さんが描いた絵も!モデルのワンちゃん達もくすのき荘喫茶売店メリーの常連さん。


どんなデザインにしようか悩んだり、藍の液の匂いやようすに驚いたり、色々な表情で1枚の布と向き合っている姿が印象的でした。まさに、1つの作品をつくりあげる過程を体験していただけたのではないでしょうか。
私もいつもやっている版画のワークショップとは違う道具や材料を使い、改めてものをつくるワクワクを感じました。

イエレは初めてのワークショップ主催ということで、てんやわんやだったと言いますが、全くそんなふうには見えませんでしたね。またぜひ藍染をくすのき荘でやりましょう!
(みなさん、お家に帰ってからお願いしたアフターケアはOKですか?)



次はイエレの感想をどうぞ!

初めての藍染め体験は大成功だった!私は幸運にも徳島の藍染め工房で1ヶ月間働き、そこで日本の天然藍や絞り染めの技術、染めワークショップの開催方法などを学びました。しかし、初めてのワークショップを開催するのはいつもとてもエキサイティングで、緊張もしました。

絞り染め、板締め、型染めなど、日本の伝統的な染色技法をお客さまに試してもらいたかった。そこで、それぞれの技法の見本を用意し、参加者が好きな技法を選べるようにした。もちろん、参加者は自分のイマジネーションを働かせ、技法を組み合わせて自分だけのデザインを作ることができた。木型、塩ビパイプ、ビー玉、輪ゴム、ロープなど、さまざまな道具を使って、思い通りのデザインを実現した。

今回、私と早川さんは、彼女のシルクスクリーン・プリントと藍染めのコラボレーションを行った。これも初めての経験で、練習を重ねながら、米のりを使ってTシャツにシルクスクリーンを浸透させる技法を編み出した。その後、Tシャツを藍で染めると、米のりのデザインが浮かび上がる。そのため、藍の染料は米のりを浸透することができず、デザインはそのまま残る。染める時間はあまり長くできない。そうしないと、藍が米のりに浸透してしまうかもしれないからだ。この技法で2枚のシルクスクリーンを使いましたが、どちらも美しい仕上がりでした!

最初から参加者が絶えなかった!みんな自分のデザインを作ることにとても興奮していたし、ユニークなものを作ろうとするクリエイティブな姿勢に感動した。また、子どもから年配の方まで幅広い年齢層の方が参加され、藍とその文化にとても興味を持たれていたのも嬉しかったです。参加者の中には、バッグからドレスまで、自分の布や服を持参して染めている人もいた!布が染まり、デザインが浮かび上がる瞬間は、私たちにとっても傍観者にとっても、いつも最高にエキサイティングなものだった!

最後まで休憩が取れないほど忙しかったので、次回はもう一人スタッフの手を借りたほうがいいかもしれない。藍染めの楽しさをみんなと分かち合えるなんて、夢のような素晴らしいイベントだった。



はんがくらぶ
くすのき荘1階をアトリエとして利用している版画作家の早川佳歩によって、毎月1回開催されている版画体験ワークショップ。ガリ版、キッチンリトグラフ、メディウム剥がし刷り、ドライポイント(銅版画)、シルクスクリーン、モノタイプ…
版画って実はいろいろあるんです。
次回のはんがくらぶは6/16(日)13:00-16:00
Instagram:@kaho.hayakawa

イエレ
オランダからやってきて木賃アパートに住む青年。藍染など日本の伝統技術に興味を持ち、古布などをつかったリメイクブランド「ぜんぜん」を運営。
Instagram: @zenzen.tyo



ここからはみなさんの作品をご紹介!



Photo by 早川佳歩、山本直、山田絵美、参加者のみなさん

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