テレワークをしたがらない大人たちの話

注) この記事はテレワークの指南書ではありません。ただの愚痴です。

もともとテレワーク制度があるのに、コロナ対策が叫ばれている昨今でも使っていない人が弊社では割と多かったので、何でかなと思いまとめた物です。

うちには制度すらねえぞという方は、将来導入された際のシミュレーションとして読んでいただければと思います。

▫️この状況でも会社に来る大人たち

昨今のコロナウイルス絡みで、先週末から弊社でもテレワーク・時差出勤の推奨が始まりました(あくまで推奨)。最初の頃はまだまだ多数派だった出社組が、1週間経って、ようやく半々程度には減ってきました。

ところが私の所属する部(会社は大企業ですが、弊部は10名程度。製造会社の管理部門)は、1週間経った今でも、ほぼ全員がまだ通常出勤を続けています。かく言う私もそのひとりです。

一部の社員はそもそもインフラが整っていないという理由もあります。また、来る事自体が悪いとも思いません。最近は「あえて出社する理由」というインターネットの記事が出始めている通り、事情によりテレワークでない事を「選択せざるを得ない」ケースもあります。

ただ弊部はというと、それとは少し事情が違うような気がします。具体的な事例から、理由を探りたいと思います。

Case 1. 打ち合わせ地獄のマネージャー

この方は1日の大半を打ち合わせや会議に費やされています。(巻き込まれている側で大変そうだなぁと思っているので、あえてこう書きます) コロナ影響の対応など、普段以上にイレギュラーな事情の中、各部門同士の調整役という立ち位置なので仕方ないのですが、席についた瞬間、別の人に連行されていて、正直気の毒です。

で、問題はそこではなく、打ち合わせを求めてくる人が皆、Face to Faceでの打ち合わせを求めてきます。まあわざわざこちらまで来て、翌日の打ち合わせをお願いしているくらいなので当然と言えば当然です。

ただ、少なくとも次から次へとこのような予定が入っていては、テレワークの予定を入れようとは考えにくいでしょう。当人がテレワークをしたがっているかどうかは分かりませんが。

Case 2. 機械音痴のマネージャー

うちのトップなのですが、あまり電子機器が得意ではありません。とあるプロジェクトでグループウェア(Slack/Teamsなど)を使い始めた時は、結構嫌がっていました。通話アプリ(Skype/Zoomなど)の使い方がよく分からないようで、Web会議の準備はすべて部下に任せています。(説明してもなかなか覚えてくれない・・・) テレワークになったら、部下とのコミュニケーションさえ難しくなりそうです。

一応会社の方針に従い、テレワークの実施を部内に呼びかけましたが、その直前にテレワークに否定的な言葉をポロッと漏らしていたので、当人はテレワークにはあまり乗り気ではないようです。

Case 3. 小さな子供のいる社員

他の部署でも聞いた話ですが、30代の男性社員が話していました。曰く、家に小さな子供がいて、仕事を出来るような環境にはないとの事。

大都市圏なので賃貸アパートなどに住んでいる方が多いという事情もあるのかもしれません。また、小さいと言っても、赤ん坊から幼稚園児まで幅が広いので事情は様々でしょうが、割と皆さん「家は仕事ができる環境ではない」と口を揃えて言います。

子育てをしながら働いていらっしゃる女性の中には「はぁ?」と思う方がいるかもしれませんが、環境的に家では仕事が出来ないと思っている男性は少なからずいるようです。(是非はともかく)

Case 4. 周りが出てるからテレワークしづらい(出来ない)と思っている社員

まあ、私ですね。会社の方がヒトも設備も整っているので仕事がラクという理由もあるのですが、協力会社さんが出てくれているからとか、周りが出社しているのに、自分ひとりだけテレワークする理由が思い当たらないとか、何かしら理由をつけて、テレワークを行えていません。

そうこうしているうちに、予定が入ってしまい、今週は本当にテレワークが出来なくなってしまいました。


と、大まかに分類しましたが、実はいずれも「テレワークをしたくない」からしないという選択をしている事に気づきました。

▫️テレワークを「したがらない」背景

Case 2やCase 3は明らかですが、Case 1はやろうと思えばテレワークは出来ます。ただ(勝手な想像ですが)、調整や説明が面倒だからあえてその方法を選んでいないのではないでしょうか。またCase 4も許可はされているので、出来ない理由はありません。ただ、やりにくいとか気まずいとか調整が面倒だとかいう理由で選んでいるに過ぎません。

ここから言えるのは、実はテレワークというのは「実施する社員の心理的負担がとても大きい」という事ではないでしょうか。

うちの会社の場合ですが、ほとんどの人のマインドが、「同じ時間に会社にきて」「同じ時間働いて」「膝を突き合わせて打ち合わせをして」「近くの席の人と雑談をする」のが当たり前と思われています。

この状況で、直接会わない「理由」を説明しなければいけないのは、実は結構ハードルの高い事ではないでしょうか。そもそも説明が必要な雰囲気というのが問題なのですが。

場合によっては、「みんなが来るのになんでコイツだけWebなんだ。話しづらい」なんて思われているかも、と私は邪推してしまいます。

つまり同じ時間に出社する事が「当たり前」の会社においてテレワークは、やるメリットより避けるメリットの方が大きいのです。

▫️実は必要なのは空気かもしれない

今回の騒動を機にテレワークの環境を急ごしらえしている企業が増えていると思います。ですがインフラや制度としての環境だけでなく、企業文化・空気としての環境も一緒に整備していただきたいです。

その為には、強制という方法もやむを得ないと思います。特に大企業や歴史の長い企業など、従来の働き方が身体に染み付いた方々が運営する会社は、荒療治をしなければ変わらないと思います。

現に弊社は、制度が始まっても、トライアル(努力義務)を始めても、それほど広まっていないような気がします。いや、積極的なマネージャーの部署はとてもよく使われていますが、極一部です。特に、テレワークに興味のないマネージャーがいる部署は全然進んでいません(まあ弊部ですし、他にも多いです)


やりたくないなら、そこまでしなくてもいいだろう。とのご指摘はあるかと思います。ただ、こういった会社からは若い社員が去っていくだろうという漠然とした不安があり、危機感があります。

なら、お前が主導して声をあげろよ。それもごもっとも。ただ、それが出来ればこんな所にこんな記事を書いていないわけで。


もし、うちも同じだと思った経営者の方や総務の方がいましたら、是非テレワークを使う事が当たり前という空気づくりにも力を入れていただけると救われる人がいるのではないかなぁと思います。

そのやり方がわかれば苦労がない。と言われればその通りですが、残念ながら私にも分かりません! 今月はまさに実験だと思い、私も日々思いを巡らせています。

以上、ただの愚痴でした。


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