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トルコの氷上を走る馬そり

ここ最近、少々重めの話題が続きましたので今日は軽めの記事で。
AFPBBの記事で、トルコに関するものがありました。

トルコと言えば、アジアとヨーロッパの結節点にあたる国。

Wikipediaより

地中海と黒海に面しており、緯度でいえば30~40度を越えるくらいの地域です。
北緯40度と言うと、日本で言えば秋田県くらい。温暖な地域とは言えませんが、動画のような湖が分厚く完全結氷するような寒冷地というイメージでもありません。
そもそもトルコと寒冷地のイメージが結びつかないケースも多いのでは…。

しかし、今回記事になっているのはチュルドゥル湖という表記があるので、

アルメニアやジョージアの国境に近い東アナトリア地方の湖です。
トルコの気候は実は非常に多様で、有名なイスタンブールなどがある地域は地中海性気候(Cs)ですが、東に行くにしたがって標高が上がり、東アナトリア高原は冷帯湿潤気候(Df)になります。

Wikipediaより

改めて地形図を見ても、東の方が山がちで標高が高いことがわかりますし、トルコ最高峰のアララト山(5,137m)

も東アナトリアにあります。
この山は「ノアの箱舟」の舞台となった山です。
旧約聖書の『創世記』によれば、堕落した人類を洪水で滅ぼそうとした神は、神の前に正しかったノアに箱舟を造るよう命じました。
ノアと3人の息子夫婦、さらに全ての動物のつがいを乗せた箱舟は、大洪水の後、アララト山の山頂に流れ着いたとされています。

Wikipediaより

ちなみに、ノアの箱舟は実在したのではないかという発見が1883年になされました。
その後ロシア帝国の調査隊が同地を調査したそうですが、その資料はその後、ロシア革命の混乱の中で失われてしまっています。

なお、東アナトリア高原はティグリス川、ユーフラテス川の源流にあたります。

Wikipediaより

雨温図はこんな感じ。

やはりD気候なので、冬季の気温の低さが際立ちます。
気候は隣国のアルメニアやジョージアをイメージした方が近いかもしれません。

ちなみに、中部アナトリアに位置するアンカラは

こんな感じですので、もう少し寒暖差が小さいですね。
ヨーロッパ側のイスタンブールはというと

こんな感じ。やはり典型的な地中海性気候になります。

というわけで、今回はトルコ、東アナトリアの冬の風物詩、氷上の馬そりについてでした。
トルコの多様性を知る一助になれば幸いです。

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