防災士が選ぶ、防災グッズ②(インフラを維持する。序+電気編)
前回の記事
では、自分の身体を守るためのグッズをいくつか紹介しました。
さて、今回は…
災害発生時には、電気・ガス・水道といった基本的なインフラがマヒしてしまうケースが多々あります。
普段当たり前に利用しているこれらのインフラが、ある日突然使えなくなると…非常に不便であると同時に、ストレスにもつながります。
特に、幼児や高齢者の方がいるご家庭の場合、事態は深刻になります。
インフラ復旧についてのおおよその目安を見てみると…
①電気
復旧までにかかる時間=当日中~1週間ほど
インフラの中で最も早く復旧する可能性が高いのが電気です。
ただし、通電火災(電気復旧時に暖房器具などが原因で火災発生)注意。
避難する際には必ずブレーカーを落としましょう!
⓶水道
復旧までにかかる時間=3日~3週間ほど
水道管の破損状況によって、復旧までの期間は大きく異なります。
また、集合住宅については、建物内の給水ポンプや水道管の破損がないかを確認しながら給水を再開するため、さらに時間がかかります。
下の階から給水を再開するため、階が高くなるほど復旧に時間がかかります。
状況によっては給水車が浄水を供給してくれますが、復旧まではかなりの不自由を強いられます。
③都市ガス
復旧までにかかる時間=1週間以上
最も復旧に時間がかかるのが都市ガスです。
地震に強いガス管の普及が進む大都市では復旧が速い傾向がありますが、それ以外の地域ではかなり時間がかかります。
ガスの場合は、敷設されているガス管に破損がないか作業員が現地を確認(立ち合い)しながら開栓作業をして初めてガスが復旧するため、電気や水道に比べて時間がかかるのです。
プロパンガスは配管がほとんどなく、設置されている家ごとに点検・復旧作業を行えば済むため、復旧がかなり早い傾向があります。
これらの期間を考慮しながら備えておくことはとても大切です。
確かに、自治体や自衛隊などによる支援は可能な限り迅速に行われると思われますが、広域にわたって大きな被害が出た場合、支援が遅れることも十分にあり得ます(そもそも、支援する側が被害を受ける可能性もあり)。
電気…スマートフォンなど、最低限の通信機器が数日間稼働できる
水道…3日~1週間程度の水の備蓄
ガス…可能であれば、ポータブルのガス器具の確保
というイメージになります。
このイメージに沿って、私なりに使ってみて良かったグッズを紹介していきます。
電気の確保
電気を確保する方法は、大きく分けて2つあります。
・発電する
・蓄電する
ですね。
発電と考えると、昔ながらのダイナモ(手回し)か、最近で言えばソーラーパネルが考えられます。
多機能なアイテムでお勧めなのが、
この2つ。
どちらも基本機能は変わらないのですが、それぞれ独自の部分があります。
上の商品は、「単4乾電池」が使用可能であること。
万一の際、充電がなくても乾電池で使うことができます。
「読書灯」がある(普段使いの照明として使える)こと。
下の商品は、「イヤホンジャック」がついていること。
避難所で使う…というシチュエーションなどで役立ちそうな気がします。
どちらもバッテリーは2000mAhなので、蓄電池としての性能は少々心もとないですが、ラジオや照明など、その機能性を考えれば一つは必ず備えておくべきアイテムです。
ちなみに、キャンプなどで普段使いもするのであれば、
ランタン型なので使いやすいです。
ただ、スマホの充電はダイナモでしかできないという欠点があります。
こちらは乾電池も使えます。
私は、これは非常用というより作業用に買いました。
いずれにしても、機能が多いと大型になりやすいアイテムなのですが、かなりコンパクトにまとめてあるのは良いですね。
そして、情報収集や連絡などになくてはならないスマホ。
バッテリーの消耗も激しいので、やはり大容量バッテリーは欲しいところです。
そして、バッテリーへの充電方法としても太陽光は良いですね。
いくつか使ってみた中で、個人的に良いなぁ…と思ったのが
これ。
お勧めのポイントはいくつかあるのですが、
・カラビナ(吊るし金具)を取り付ける部分が、角ではなくて横にある(吊るした時に斜めにならず、ブラブラしない)
・拡張されているソーラーパネルは取り外しできる
という点です。
細かい部分ではあるのですが、使ってみると意外に良い機能。
バッテリー容量も25000mAhあり、十分です。
そして、ワイヤレス充電に対応してくれているので便利だと感じたのは
こちら。
バッテリー容量も大きいですし、必要十分です。
こんなにたくさんソーラーパネルいらない(邪魔)という方は
これが良いかもしれません。
このバッテリーは、
・ワイヤレス充電に対応している
・USBポートの数が多い(3つ)
・LEDライトがやたらと明るい
という特徴があり、意外に使い勝手が良いです。
ただ、ソーラーパネルでの充電は結構大変で、あくまでもソーラーパネルは補助という点に注意が必要です。
発電(充電)という点に特化して考えれば、大容量のソーラーパネルを備えておくのも一つの方法です。
上を見ればきりがありませんが、携帯性と発電性能のぎりぎりのラインを考えた場合
これは良いですね。
3㎏あるので、ザックに吊るして運ぶのはちょっと無理ですが、テントや車の内窓に吊るすなどの使い方なら発電量も多く、かなり良いです。
キャンプなどで普段使いもできます。
もし、携帯性をもう少し重視したいなら
これ(重量2kg)。頑張ればなんとか行けます。
まあ、ザックにつけて持ち運ぶ…であれば、現実的なラインは
くらい(1㎏ない)のですが、この大きさになると出力がUSBだけになってしまうので注意が必要です(次に挙げる大容量バッテリーには充電できません)。
Amazonなどで、間違って大容量のポータブル電源とセットで買ってしまった人がちらほらいらっしゃるので…💦
さて、アウトドアなどでも気兼ねなく電気を使いたい!という場合には、さらに大容量のバッテリーを備えておくのも一つの方法です。
各社から大容量バッテリーが販売されているのですが、選ぶポイントとして私がおすすめしたいのが
・出力が正弦波
・PSE認証を取っている
この2点です。
バッテリーの出力では、正弦波・疑似正弦波・矩形波
「電源専門店オンリースタイル」様より引用
があります。
家庭用電源の出力は「正弦波」で、電気製品を正常に動かしたいのであれば正弦波の電気を供給することが必要です。
(その他の方式でも動きますが、使えない機能が出たりすることもあります)
そしてもう一つ、PSE認証。
電気用品の安全性を担保するために造られた制度で、この認証を受けている製品は比較的安心、ということになります。
これらの条件を満たして、使い勝手や性能、価格などを考慮し、私が買って良かったと感じたのは
これは、コストパフォーマンスが非常に良いです。
同じメーカーでソーラーパネル
もリリースしているので、セットで揃えておくことをお勧めします。
バッテリーとソーラーパネルは、できれば同じメーカーで揃えておいた方がいいです。
不具合が出た場合、「相性です」と言われて対応してもらえないリスクがかなり減ります。
ケーブルが付属していない(ここは不親切)ので、ケーブルも忘れずに。
上が5m、下が3m。
5mのケーブルは割とかさばります。3mでも工夫すれば十分使えますので、これはお好みで…。
というわけで、今回は電気関係の備えについてまとめてみました。
絶対あった方がいい = ラジオ付きダイナモ
できればあった方がいい = ソーラー充電式モバイルバッテリー
余裕があれば備えてほしい = 大容量ポータブルバッテリーとパネル
というところでしょうか。
さて、長くなってしまったので、水とガスについては記事を分けたいと思います。
ひとまず、今回はここまでということで…。
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