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【読書感想】「びっくり館の殺人」 綾辻行人

読了日:2012/6/12

「僕」が古本屋で見つけた一冊の本とその本の作者近影。
それは「僕」の子供の頃の、ある不思議で不気味な出来事を思い出させる。
びっくり館とよばれる家とそこでの事件を…。

綾辻行人の館シリーズ8作目。
館シリーズは好きで全部持ってるけど、読む間隔が空きすぎて微妙につながってる部分(中村清司とか鹿谷門実とか)の関係性を忘れちゃってる…。
まぁそういうつながりがなくても十分面白いんだけど。

この作品のコンセプトが「昔少年少女だった人も現役の少年少女も楽しめるもの」なので、子供も楽しめる内容。(っつっても内容は殺人事件だけど)

館シリーズ自体が、昔みんなが夢中になったであろう江戸川乱歩シリーズに似てるようなところがあって、隠し扉とか秘密の通路とかが毎度出てくる。
そういうのが、すごくワクワクする。
しかもこのびっくり館に関しては、最初にカラーのイラスト、合間合間にもイラストがあって、ホントに昔読んだ江戸川乱歩シリーズみたい。
いいわ〜。懐かしい。

そして最後がまたいい。この終わりかた、うまい。

ワタクシ的名文

法律なんて、しょせんは人間が勝手にこしらえたものじゃないか。
たとえば江戸時代には、「あだうち」という名の人殺しが法律で認められていたのだ。武士には「斬り捨てごめん」なんていう人殺しの特権があった。江戸の昔まで話を戻さなくても、たとえば戦争中には、どんなに敵の兵士を殺しても罪にはならない。時代や状況によって、ああだったりこうだったりする・・・。そんなものの中にいったいどれほどの真実があるというのだろう。

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