【読書感想】「ブレない子育て 発達障害の子、「栗原類」を伸ばした母の手記」栗原泉

モデル栗原類のお母さんの子育て本です。
友人におすすめされたので読んでみました。

栗原類のお母さんは、割と破天荒ぎみな人生だったようです。
留学中、付き合っていた恋人と別れたあと、妊娠してることがわかり、帰国して栗原類を出産、シングルマザーで子どもを育てることに。
音楽系の専門学校には出たものの、大卒などの学歴も、特別できることもなかったお母さん。
とはいえ、働かなくては生きていけません。
音楽に詳しかったことと留学していて語学堪能だったスキルを活かして、音楽系の通訳で生計をたてることにしました。

日本と海外、両方の文化で育てたいと考えていたお母さんは、類くんが小学生になる頃にニューヨークに移住。
アメリカの小学校での適性検査で、類くんが発達障害であること、またお母さんも発達障害であることが判明。
日本にいた頃から、もの覚えが極端に悪く、集団行動にも上手に入れないと散々言われていたのは発達障害が原因であることを知ります。

そこから、お母さんはひとつひとつ、一般的な育児の型や「みんなこうだから」という考え方にのらず、「どうすれば類くんにとってベストか」を考えた子育てをしていきます。
もちろん、普通のお母さんと同様、キレたり、何回も叱ることもあったそうですが、類くんと一緒に、もがいてたたかってきたそうで、そんなお母さんの子育てルールや大切にしていることなどがこの本では紹介されています。

彼が今、芸能界で活躍できているのはこのお母さんのおかげだなぁ。

このお母さん、ほんとうにすごいんですよね。
パワーがすごい。
通訳やろうって決めたら、面識もないけど自分を売り込むための行動を起こしたり、
類くんに色々な世界を見せてあげたいと考えて、シングルマザーで生活に余裕が有る状態ではないものの、定期的に海外旅行に連れて行ったり。
こうと決めたらやる!
というパワーがすごい。
私はパワーが足りないんだよなぁ‥。

そして、お母さんのマイルール、ひとつひとつが超納得。

お母さんのマイルール
1、周囲の雑音に振り回されない知識を持つ
2、我が子に今何が必要かじっくり観察する
3、頑張らせることの優先順位を決める
4、子どもと一緒に学ぶ、感動を共有する
5、人生への前向きな姿勢、社会常識・マナーを教える
6、子どもの将来を見すえて教育ヴィジョンを持つ
7、親のエゴをはずして、子どもの意思を尊重する
8、子どもとの約束を守る、言行一致する

詳細は読んでもらいたいんですが、まぁ全部発達障害とか関係なく子育てするうえで大事にしないといけないことですわ。
大事なのはわかるけど、できてないこと多いよね〜。

「我が子にいま、何が必要かじっくり観察する」
とか
「子どもと一緒に学ぶ、感動を共有する」
とか、私、正直あんまりできてないわ〜。
もっとこう、一緒に美術館とか感性を磨くことをしてみたい。
(息子、興味なさそ〜だけど(T_T))

うちは、やるべきこと(勉強、ご飯、お風呂)やったらYouTubeもゲームも特に時間決めずにやっていいよ、というゆるゆるルールです。
(ただしバスケの練習がある日は時間がないのでノーメディアデイ)
勉強も宿題とチャレンジタッチのみで塾はいってません。

すべてにおいて割とゆるいルールなので、
「もう少し制限したほうがいいのだろうか」
とか
「そろそろ塾とかいれるべき?」
とか、メディアとの付き合い方や勉強量について、考えることもあります。

栗原類のお母さんは、メディアとの付き合い方について次のように語っていました。

でも映像が好き、ストーリーがあるものが好き、独創的な映像にイマジネーションを搔き立てられる、心を動かされる経験を日々している。それは類を見ていて感じていました。
「本を読まないで映像に頼ると、映像にある中でイマジネーションの限界が決まってしまうので良くない」と、したり顔で言う人もいますが、映像作家になりたいという子どもに本ばかり読ませていても、映像の世界で何をどう動かすとどんな世界が広がるのかは理解できるようになりません。
映像をたくさん見せて、ストーリーのあるフィクションの世界の楽しさに触れ続ける環境を持続させたのは、正解だったと思います。
結局、「本を読まないとダメ、TVはダメ、映像じゃダメ、スマフォでYouTubeじゃダメ」は「既存の子育てをしろ」ということと同じ意味であって、新しいものを公正な目で検証した言説ではないのです。

こういう考えを自分で見つけて貫き通せるの、かっこいいなぁと思います。
わからないものや、自分のときにはなかったものって、わからないから遠ざけたくなるんですが、一緒に楽しめれば多分害にはならないんだよね。
そのツールをどう使うかだなぁと改めて思いました。

栗原類は「ポケんち」にもときどきでていますが、ポケモン映画にすごく詳しくて、細かいところまで見ていることが、話を聞いてるとわかります。
「ポケモン」なんて、普通に考えたらただのTVアニメやゲームで、親からすると「もう、またそんなのに夢中になって‥」みたいな感じなのかもしれないけど、好きが高じてポケモンの番組に出ることができるようになったわけですもんね。
なにであれ、夢中になるのをストップしないようにしたいもんです。
「ヨソはヨソ、うちはうち」
ってことで私もブレずにマイペースにゆるく、様子をみていこう。
(それでも、「やることやったらね!」というセリフを捨て去ることができないあたり、私もまだまだ振り切れてはいないんですが。)

栗原類のお母さんは、自分の両親の子育てについてあまり良く思っておらず、それが反面教師になってる部分も多々あったとありました。
親の教育ビジョンがブレブレだったからこそ、お母さん自身が子育てするときには、ブレないように気をつけたんだそうです。

虐待された人が親になると、接し方がわからず同じように自分の子を虐待するという話や、虐待までいかなくとも、親の子育てのよくないところを無意識で踏襲してしまう、という話は本当によく聞きます。
もちろん、栗原類のお母さんのように、自分が親にされたことを断ち切って、我が子に継承させないようにもできるわけで、そういうマイナスをプラスに変えられるパワーがあるというのは、人類の希望だなぁ、とも思います。

ただ、いずれにしても、親からの価値観の刷り込みや子育てのネガティブな思い出というのは、良くも悪くも子どもの生き方にものすごく大きな影響を及ぼすんだなぁ、と思いました。

子育てって楽しくて、大変で、こわい。
自分の振る舞いがここまで他人に影響を及ぼすことなんて、子育て以外ではなかなかないんじゃなかろうか。
影響力がすごい。
だからこそ、毒にも薬にもなる。
こわいわ。


私も最近はなあなあできちんと接することができているか自信がないし、多分子どもらが大人になってから
「親のこういうところがだめだと思ってた」
みたいな思い出は出てくるんだろうなぁと思います。
ただ、トータルでみたときに、
「なんかまぁ楽しい親だったよね」
と子どもらに思ってもらえるよう、たくさん笑って過ごそうと思います。

毎日大変だけど、夏休みももう少しで終わり。
お弁当作りももう少し。
子育て、頑張るぞ。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?