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【読書感想】「チヨコ」 宮部みゆき

読了日:2012/2/2

短編集で5話。
それぞれが短いけど、読後感がさまざま。
さすが宮部さん。
ストーリーに少しずつ幽霊とか不思議なこととかが含まれています。

私のお気に入りは、
本のタイトルにもなった「チヨ子」と
宮部さんの直木賞受賞第1作目の「いしまくら」。

最後、ちょっと長めの「聖痕」は、好き嫌いわかれるけど、とりあえずインパクトはある。
ちょっとイッっちゃってる感じの話(笑)。
あとがきで宮部さん本人が
「心配されそうですよね。『大丈夫?宮部さん』って(笑)」
と語っていたくらいですので・・・。珍しい感じです。

ワタクシ的名言

「何かを大切にした思い出。何かを大好きになった思い出。人はそれに守られて生きるのだ。それがなければ、悲しいくらい簡単に、悪いものにくっつかれてしまうのだ」(チヨ子)
「人間は変わるものだ。変わらないでいようと決心しても変わってしまうものだ。だから滑稽だし、哀しいし、あじわいのあるものなのである。近所の面倒見のいい優しいお姉さんだって、可愛い弟分の全く知らないところで道を踏み外すこともある」
(いしまくら)
「盲信あるいは妄信というものは、ある段階から自立した生きものになる。カルトの教祖が往々にして信者たちもろとも破滅するには、そうやって制御不能となった信仰に喰われるからなのだ」(聖痕)

短編集で薄いのに、いいな~と思う言葉がたくさん。
宮部さんってすごい。

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