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【読書感想】「いのちの車窓から」星野源

読了日:2017/4/6

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星野源の魅力、そのすべてがわかる、誠意あふれるエッセイ集。ドラマ「逃げ恥」「真田丸」、大ヒット曲「恋」「SUN」、「紅白」出演。怒濤の毎日を送るなかで、著者が丁寧に描写してきたのは、周囲の人々、日常の景色、ある日のできごと…。その一編一編に鏡のように映し出されるのは、星野源の哲学、そして真意。
「BOOK」データベースより

この本の概要

笑いたければ笑うがいい。
あたいは今、源さんに夢中ですから(^∇^)

最近出ました、星野源の新作エッセイ。
いや、もう毎回言ってますけどね、今回も言わせてください。

星野源、いいヤツだ~。

このエッセイでは、日常のことや、源さんと親交のある人たちの名前がたくさんでてきます。
鶴瓶さんとか、吉田羊とか、細野晴臣とか、大泉洋とか、新垣結衣とか。
それ以外にもタクシーの運転手とか、中華料理屋の面白いおっさんとか、放送作家のお友達とか一般人もたくさん。

もちろん本に載せる内容だし相手の悪いことを書くわけないんだけど、こういうふうに見ててくれたら、言われた本人は本当にうれしいだろうなぁっていう優しい視点。それがいい。

鶴瓶さんの話

特に印象深いのが鶴瓶さんの話。
中村勘三郎さんと仲良しだった鶴瓶さんは、勘三郎さんが亡くなって少ししてから
「人間は死んだら終わりなんや」
「勘三郎みたいな、あんなすごいやつでも、あんな偉業を成し遂げた男でも、死んでしまったら、みんな忘れてしまうやんか。俺はそれが悲しい」
と言っていたそうです。

その数年後、『鶴瓶噺』という寄席を源さんが見に行ったときのことを書いたのが以下。

「人間は、死んでも終わりじゃないんです。」
2年前の言葉がフラッシュバックした。
「残された者が、その人を語り、バトンを繋いでいきますから。人間は死んでも終わりじゃない。それが、今回私が言いたかったことです。」
その言葉で、鶴瓶噺は幕を閉じた。
「人間は死んだら終わりなんや」
「人間は死んでも終わりじゃない」
この2つの言葉の間に、どれだけの想いと、憤りと、決意があったんだろう。
帰り道、山手通りを歩きながらそれを思い、ひとり泣いた。
「人間」より抜粋

以前は「死んだら終わり」と言っていたのが、数年後に真逆の「死んでも終わりじゃない」と語る。
例えばそこで「言ってること変わってるやんけ!」と突っ込む人もたくさんいるわけです。
でも源さんはその変化の過程にあった「想い」「憤り」「決意」を汲み取っていて、それを思って共感し、泣いている。

なんていいヤツ(ToT)!!

例えばこういうエッセイの内容でさえも、
「よく見せようとしてあざとい」
とか
「オタクっぽさを演出してそっち側も取り込もうとしてる」
とか穿った見方をする人はたくさんいます。
斜に構えた見方をしようと思えばいくらでもできる。

しかし!

私は素直な素子。
これからも人の言葉はどこまでも素直に受け止めていきます!!
なので繰り返します。

「星野源はいいヤツだ!」

「いいヤツ」の定義を語りだすとかそんな野暮なこともいたしません。
「いいヤツ」も穿った見方次第では「都合のいいヤツ」的な、ちょっと否定表現になったりしますが、そんな斜めな視点は度外視して、敢えてど直球で繰り返します!

「いいヤツだ!!」

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