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【読書感想】Z世代・さとり世代の上司になったら読む本 竹内義晴

この本の概要

若手社員に見限られる前に。

新入社員や若手社員とギャップを感じたことはありませんか?
若手世代の上長になる係長、課長は就職氷河期世代にあたります。

対して若手社員はZ世代・さとり世代(以下、Z世代 )。
この2つの世代は、働くことへの意識や価値観に大きな差があります。
コミュニケーションがうまくいかなくても、不思議なことではありません。

本書では、Z世代の若手社員に「噛み合わなさ」を
感じている管理職に向けて、部下とよい関係性を築くための
コミュニケーションのポイントを解説していきます。
Amazon作品説明より引用

感想

同僚の竹内さんの本です。発売日に買ってたんですが、その当時、読書熱が落ちててなかなか読めてませんでした…。(竹内さんスンマセン)
今、また読書熱が上昇中なので、その気流にのって読了。

世代間ギャップをベースにしてはいますが、世代関係なく、人とのコミュニケーションでなんかしらのお悩みを感じている人(特にマネジメント層)にはすごく役立つのではないかと思います。

前半は、この本を読むにあたっての我々世代(就職氷河期前後)のマインドセットチェンジの話と、コミュニケーションにギャップが生まれる理由について説明しています。
後半では、実際にすぐ活用できるコミュニケーションスキルの話で、コーチング的な話もたくさんでてきます。自分もコーチングを学んだ身ですが、いい復習になりました。

文章には、竹内さんらしい穏やかさと優しさと謙虚さがでていて、この本のターゲット世代でもある自分は地味に励まされ、また同時に癒されました。私たち、不遇な時代を頑張って生きてるよねぇ。大したもんだよ。。

ところどころで思考ワークも紹介されてるんですが、それもまたおもしろかったです。研修に携わる仕事をしてる身としては、着想が刺激されたりもして、こういうワーク作りたいなー、やりたいなーって思ったりもしました。

ワタクシ的名文

思考や行動の変化には、これまでの経験や教育、思い込みによってつくられ、固定化されたパターンを書き換えるマインドセットが伴います。今まで「正しい」と思ってきたことを、ある意味否定しなければならないこともあるでしょう。ときにつらいし、大変な作業になることもあります。
しかし、これまで多くの時間を、目の前ににんじんをぶら下げられ、本心とは異なるのに「仕事とはこういうものだ」と我慢を強いられ、「いい思い」をほとんどしてこなかった私たち中堅世代にとって、「変わること」は、ひとつの「希望である」と私は思っています。
P50 1-3 「チームのアップデート」は、「私のアップデート」から生まれる

章見出しが「ホントそれ」です。チームをアップデートしたければ、私たち一人ひとりが変わる必要があるんです。他人じゃなく自分が変わる。
でも変わるとかアップデートの過程ってしんどいから心が抵抗してしまうんですよね。
そんな現状維持をしようとしてしまいがちな我々の心をそっとリフレーミングしてくれる言葉。
「いい思い」をほとんどしてこなかった私たち中堅世代にとって、「変わること」は、ひとつの「希望である」
我々が「いい思い」をするのはここからだぜ。

どの時代を生きてきたにせよ、すべての人はそれぞれの生きてきた時代に翻弄されてきたし、その時代の影響を色濃く受けてきました。言い方を変えると、彼(彼女)がそのような発言をしてしまうのは、親や社会の影響を受けざるを得なかった「時代のせい」でもあるのです。時代のせいにすることで、怒りの矛先を「あいつ」から切り離すことができそうです。
P71 「世代の特徴」を知れば、ちょうどよい距離感が見えてくる

「そんな〜時代も〜あぁ〜ったねと いつか〜笑える〜日が〜来るわ〜♪」
という歌が聞こえてきそうな一文。
自分が当たり前に思う価値観は、時代の価値観や自分が歩んできて関係してきた人たちの価値観を多分に含んでいます。
それは他者も同じで、みんな一人ひとり違うので、その違いにめくじら立てても仕方ないよな、と私も思います。

自分の価値観を押し付ける必要もないし、相手の価値観に染まる必要もないけど、相手との違いを違いとして眺めて、背景に思いを巡らせることで余計なイライラは減るんじゃないかしら。
「距離感」っていう言葉、サイボウズに入ってからよく聞くようになった言葉なんですけど、ここにいることで、相手と自分の距離感やその距離の幅に対して、感情と離して冷静に目を向ける感覚っていうのが強まってる感じがします。

以前だったら、1人のプレイヤーとして、「結果を出さなきゃ!」と思っていて、どこかしらで力が入っていたような気がするからです。
一方、現在の私は、先頭に立って、前のめりでガツガツ仕事をしていくというよりは「若手世代が仕事がしやすいような環境をつくれればいいな」「フォローする側に回れたらいいな」といった気持ちが強くなってきました。
なぜ、そのような気持ちに変わってきたのか…それは、年齢がそうさせる部分もあるのかもしれませんが、「1人には、所詮、限界がある」という気持ちを抱くことが増えてきたからなのかもしれません。
P225 おわりに 1人じゃないからこそ、楽しく働ける

前に読んでた同僚の髙木さんの本「拝啓人事部長殿」の終わりで、彼も同じようなことを書いていました。「1人だから変えられなかったんだ」みたいなことを。

サイボウズはいい会社と言われることも多いですが、結構しんどいな、と思うことも多いです。
指示や命令で人を動かすのではなく、共感とロジックと両方を使って、周囲の人を巻き込んでいかないと、大きいことはもちろん、小さいこともなかなかできません。
ここにいると、ほかの組織にいるより「1人では何もできない」という感覚や自身の影響力について考える機会が多くあるのかなぁと思います。
だからちょっと近いような表現が終わりの方で出てきたのかもしれないな、とか思いました。
知らんけど。

ほかにも名言多々ありまして、ページに折り目をつけたところがたくさんありました。
ぜひ読んでみてください!!

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