【読書感想】I’LL SHOW YOU デリックローズ自伝 デリックローズ
この本の概要
感想
富樫勇樹の本を読んだら、Amazonからこの本がレコメンドされてきたので、NBAなんて全然詳しくないくせに買っちゃいました。
一応、デリックローズという名前は知ってはいたんですよ。
私の推しバスケ選手・東海大4年の大倉颯太くんは、特別指定選手として、昨年、千葉ジェッツの試合に出てたんですけど、その試合中に怪我をしまして、ACL(膝前十字靭帯断裂)という大きい怪我をしてしまったんですね。
当時、まるで我が子が怪我したかのように、推し選手の怪我を勝手に心配していたわけなんですけど、そのときに夫とACLから復帰した選手の話をしてまして、でてきた名前がデリックローズだったというわけです。
スポーツ選手にとって膝の怪我ってかなり辛いヤツだと思うので、颯ちゃんと同じ怪我をしたNBA選手はどのように怪我を乗り越えたのかしら、と思って買ってみました。
内容としては、自伝なので、彼の生い立ちからNBAデビュー、活躍、挫折、トラブル、復帰などこれまでの人生でおきたことやその当時の思いを綴ったものになります。
取材で話している言葉をそのまま文字起こししたような文調で、言葉の後ろにある前提(アメリカの文化とかNBA知識とか)がそもそもない人間が読んでるので、ところどころ読みにくいと感じるところもありました。
NBAデビューしてからの試合の話や、これまでのチームでの話もたくさん出てくるので、昔の試合や当時のチーム編成を知ってる人にとっては胸熱な内容だと思います。
でも、そこも私に前提知識がないがために楽しみきれなかった。
くうぅ。残念だ。
この本のなかで彼が大きく取り上げているのが人種差別の問題です。
彼はシカゴのアフリカ系アメリカ人が多く住む地域の生まれで、日常的に銃やドラッグが近くにある社会で育ったんだそうです。母親は常に働いていて、兄弟たちも家計を助けるためにドラッグを売り、ローズも家計を助けるためにサイコロ賭博や賭けバスケをしていたとのこと。
ギャングの抗争で友人を殺されることもあったし、どこかで聞こえたピストルの音の大きさで「ここならまだ大丈夫」とか「ちょっと近いかも」なんていう会話も日常。
死がすぐそばにある毎日だったんだそうです。
肌が黒いというだけで警官に呼び止められ、理不尽に暴力を振るわれることがある。
たとえお金を持っていても、肌が黒いという理由で不動産購入を断られることがある。
親は子どもを守るために「肌の色で理不尽な差別を受ける可能性があること、なにも悪いことをしていなくてもつかまる可能性もあること」を教えておかなくてはならない。
それぞれの国で根深い問題はあるもんなんだなぁ。
なんて辛い現実だろう。
日本もいまだに男女平等とは言いがたいし、よその国のことなんて少しも言えないんだけど、どうして、ヒトってやつは、いつまでたっても肌の色だの人種だの性別だので優劣つけることをやめられないのだろう。
この世には自分たち人種しかいないと信じていたはるか昔ならまだしも、地球は丸くて世界は広くて多様な肌の色、目の色、髪の色があるとわかったこの時代でもまだ差別が横行している。
そういうところで他者を貶めないと自分の立ち位置や居場所を守れないのかもしれないけど、もう21世紀なんだし、いい加減やめましょうよ…。
国の問題っていうより、人の心の問題なんだろうなぁ。
我々人間も、そろそろ大規模アップデートが必要なんじゃないかしら?
なんてことをローズの本を読みながら考えたりしました。
ワタクシ的名言
ローズがACLをやってしまった直後の母子の会話。
いや〜〜〜お母さん、超クール(笑)読んで笑ってしまった。
たしかにバスケ選手としてはスピードは大事だけど生きてくうえではスピード必要ないもんね。
愛があるのが前提なんだけど、息子の怪我に対してこのくらい肝が据わってるのもまたいいもんだ。
アメリカも日本も同じなんだな〜。日本も若い子の貧困が話題になってますし、貧困の連鎖でチャンスすら与えられない人もいる。
努力するための土俵にすらのれないということも多くあるんだと思う。どうにかならないもんかしら。。
それにしても、ローズの人生は波瀾万丈。
怪我が多くて、ACLやったあとも半月板損傷を何度かしてるし、言葉足らずだからバッシングもすごかったようだし、大学の試験で問題起こしたんじゃないかと疑われたり、暴行罪で訴えられたり。
かわいそうになっちゃったよ。
そして、本を読んだ後改めてYouTubeで動画をみたらNBAは動きが異次元すぎてびびった。
すごすぎ!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?