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【読書感想】コーチはプレゼンス 士野楓

この本の概要

書籍タイトルがすべてを物語る。東京コーチング協会(TCA)会長であるとともに国際コーチング連盟(ICF)認定マスター・コーチ(MCC)の著者から、コーチングの勉強を一通り修了した人々に贈るコーチの手引書。
「コーチングって何?」と初めて興味をもった方、これからコーチングの勉強を始めようとする人にも、分かりやすく、深く、かつ率直に書かれている。
Amazonの説明より一部抜粋

東京コーチング協会の会長・士野さんが出した本です。
東京コーチング協会は私が今講座受講してるところでもあります。

コーチング関連の本を何冊か読んだりもしましたが、この本はそれらの本とはかなり違ってて、スキルとかテクニックの話がメインではありません。
コーチングに対する思いや覚悟、コーチのプレゼンスについて、後進となる我々コーチの卵たちに優しくも厳しく伝えるマインド書です。
(「マインド書」なんてカテゴリーがあるのかわからんけど)

本自体は長くないし読みやすいので割とさくっと読めると思います。
ただコーチの卵としては、けっこうひとつひとつの言葉が重かった。ちょっと読んでは「ずどーん」、ちょっと読んでは「どがーん」と響いて、文章量の割に読むのに時間がかかりました。

士野さんには講座で数回ご指導いただいただけなので、私が言えるようなことはなんもないんですが、とにかくZoom越しでもオーラがすごい方です。
もちろんイヤな感じのオーラではなく、なんというか、お母さん的なあったかさ、率直さ、厳しさがある人とでもいえばわかりやすいのかしら?
どんな人とでもすぐにラポール(信頼関係)を築けてしまうオープンさと雰囲気があります。(私の主観です)

士野さん自身の生き様、経験、失敗などもあけっぴろげに書かれているので、きれいに整ったコーチング指南書よりも圧倒的に生々しく、それがまた士野さんが語る「覚悟」への説得力につながってるなぁと思いました。

手放す覚悟

本には「コーチングのプロフェッショナルとは」を説明している箇所があり、そこに
「プロのコーチになるためにあなたは何を手放していますか」
という問いがあります。

この話の全段で、士野さんのお母さんの話も書かれてるんですけど、その話がまたすごいんですよ。
士野さんのお母さんは韓国の伽耶琴(カヤグム)という琴の人間国宝だったんだそうですね。お母さんはプロフェッショナルであるがために、「母」であることを捨て、琴に捧げた部分があったようです。
士野さんはそのお母さんの姿勢を尊敬しているそうなんですが、私はこのお母さんの話を読んで「あなたはなにを手放すか?」と問われたとき、
「家族捨てないとプロになれないとしたら、私はプロじゃなくていい」と思いました(笑)
私のライフバランスの土台は家族だもの。そこが崩れたら元も子もないわ。
(別に士野さんも家族捨てろなんていってなくて、多くのコーチにとって捨てる対象になるのは「安定した職」とかなんじゃないかと思う。人によるけど。)

「言葉の力強さ」

士野さんには講座で数回お会いしただけで、まだそこまでたくさんお話したことがあるわけではないんですが、講座を受けてる時「あなたは言葉に力強さがあるわね」みたいなことを言っていただけて、それがすごく嬉しかったんですよね。
で、この本のなかにも「言葉の力強さ」という表現がでてきてて、なんかさらに勝手に嬉しくなりました。

コーチングに関してはこれからひたすらに修行の道だし、本業も、家事育児もあるので人より歩みはゆっくりになるけど、必要以上に人と比べず、コツコツ頑張っていこう。

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