中庸

保育園のお昼寝の時間、僕は眠れなかった。

周りの友達はみんな気持ちよさそうに寝ていて、僕は床にゴロンと寝そべり天井を見上げていた。

白くて高い天井には黒いブツブツがついていて、それをぼんやり眺めていると、そのブツブツたちが歪んで動き出す。

あのブツブツはなんだろう。いつからあそこに住んでいるんだろう。

そのブツブツは天井みたいで、でも生きてるみたいだった。

先生たちに話しかけたら友達が起きてしまう。そう思った。

すると静かにしていることが目的になった。

ぼうっとしているけど、はっきりしている。

全身の感覚がどこにも無いみたいに宙に浮いていた。

ブツブツたちは動いているけどじっとしていた。

みんなの体温が僕に溶けていくようだ。

腕や足を動かそうとしても、体と心が許してくれなかった。

そういうことが、心地いいんだなと思った。

僕はまだこれの名前がわからない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?