視点

下戸の夫が久しぶりに飲み会に参加した。
異動先は仕事の量と人員の釣り合いがとれていない部署で、残業続きの日々。今までの仕事とは畑違いなこともあり、かなり不満が溜まっていて、転職しようかと言っていたこともある。

けれど、今回の飲み会で少しだけスッキリした様子。
どうやら、怖いと思っていた上司がそうでもなかったり、今の環境でも昔よりは改善されており、今は過渡期であるといった歴史を聞いたりしたことで、思うところがあったようだ。

視点の切り替えは難しい。仮定で事情を推しはかろうとしても、現状の不満が解消するほどまでは行き着けないだろう。
今回の飲み会のように、自分とはものの見方が違う人の話を聞いて、やっと平面だと思っていた絵画が3Dに見えてくることも多い。見える角度が大きくなることで、少しでも気持ちが前向きに置き換わればいいな。

noteは視点の切り替えを助けてくれる。同じリンゴを見ても、赤色に注目する人、フォルムに注目する人、味を想像する人、農家の苦労を慮る人など、記事の数だけ視点がある。

似たような視点の人に共感したり、考えたこともない切り口にハッとしたり。
私も、誰かの視点を増やせているといいなと思う。

視野の狭い私がよく自分に言い聞かせる言葉がある。尊敬する植松電気社長、植松努さんの言葉だ。
「だったらこうしてみたら?」
この言葉を口に出すと、解決できないと思っていた問題に針穴を開けられる。ほんの僅か穴が空くだけでも、袋に入った水は流れていく。

今は鼻先10センチのところに大きさ不明の不安が居座っていて、いつも以上に視野が狭くなっているのを感じる。
こんな時こそ、誰かの視点を借りてものを見よう。不安を横から見れば、意外と厚みがなかったり、中身がえぐれていたりするかも。

いずれこの不安から距離が取れたら、チャンスだ。今より多くの視点を獲得できると信じたい。

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