おしゃべりフォビア
自分の気持ちを誰かに伝えるって難しい。
noteはいい。
公共の場に出す記事は、どう取ることも読み手の自由と、ある程度割り切って書いているから。
けれど大切な相手には、なるたけ誤解の少ないように自分の想いを伝えたいし、相手の気持ちも正解に近いものを理解したい。
noteでもコメントのやり取りは私的な感情が入るので、きちんと伝わればいいなと思って書く。
が、私などより言葉でのコミュニケーションが得意な人しかいないので、多少マズい書き方をしても正確に意図を汲み取ってもらえるし、誤解しようのない分かりやすさで伝えてもらえる。
超ぬるま湯。仏しかいない。
けれど、現実社会では、コミュニケーションの方法に得手不得手があり、口達で伝えるのが得意な人がいれば、図にすることで伝わる人もいる。
抽象的な言葉でこちらの意図を汲み取れる人に具体的なことを言うとまどろっこしく感じるし、具体で理解する人に抽象的なことを言ってもてんで響かない。
言いたいことが3分の1しか伝わらないのなら、言葉を3倍に増やして伝えればいいのかと、たくさんの文字を並べてみても、こちらの意図しないところを抽出されてこんがらがるばかり。
そして、私も相手のテキストが理解できないという、とっ散らかった子供部屋のように収集のつかない何かが残る。
息子の場合は軽い反抗期も入ってきて、言語でのコミュニケーションに限界も感じている。
多分、言語処理以外のアプローチを選択してみるのも、有効な手段になるはずなのだが。
いかんせん、私は文字以外のコミュニケーションが苦手。
耳から入ってきた情報はすぐに処理できない。3人以上の会話とか、宇宙語にしか聞こえない。
ダンスなど、運動の動画を観てもすぐに真似できない。
動きを言語化して左手を右膝に、などとブツブツ言いながらのほうが覚えられる。
さらにテンションは常にLOWで、場の雰囲気を盛り下げるデフレ女である。
それでも付き合ってくれる友人・知人には感謝しかないが、その感謝すら上手く伝わらないもどかしさ。
なぜ私がこんなに卑屈なことを書くかというと、これを書いてる今まさに、夫が初対面の人7人を相手に、8名での会話を楽しんでいるからである。
しかも、その7人は知り合いのようだ。初対面は夫だけ。
なんやねん、そのコミュ力。
全然外交的じゃないくせに。
家に人を呼ぶとか超嫌がるくせに、いざとなったらソツなくこなすその感じなんやねん。
今日は息子がとあるワークショップに参加している。
私はこの教室に何十回と足を運んでいるが、一人も知り合いがいない。
いつも会う人とも、会釈以上のコミュニケーションを取ったことがない。
男:女=2:6という絶妙な比率の中、誰も置いていかずにフンワリと場をまとめたかと思えば、男女で話題が2つに割れるタイミングも自然。
あとその、8人にふと訪れる沈黙に対して、「僕、全然気にせず沈黙してますよ」って顔!!
私は初対面の人ほど頑張って、持ち合わせていないギアを無理やり上げてしまうタイプなので、沈黙が耐えられない。
電話も苦手だが、どうしても必要なときは無音を1秒でも減らしたい。
結果キョドっただけのデフレ女に冷ややかな沈黙が訪れるという、意図したことと真逆の反応が打ち返される。
テニスボールを打ったらバランスボールが戻ってきて弾き飛ばされる、ドリフスタイルで終わることも多数。
私はLOWしかないギアをLOWの上に入れるのが精一杯な中、何とか流れを止めまいと頑張ってしまう。
その嫁の夫が脇汗もかかずに涼しく沈黙していられるなんて。
憎たらしい。
私の横になんかずっとスマホをいじっている人がいるな、デフレ仲間かな、と思っていたら子どもだった。ちっ。
これが時給1000円女と3000円男(残業手当/1h)の違いかっ!
ライターとしては情報の伝達でお金をいただいていながら意思疎通が全然うまくいかない、この長年のコンプレックスを目の前に突きつけやがって。
そこの爆笑中の7名様、まさかそこで感じよく笑顔を振り撒く男の嫁が、後ろでこんなに卑屈になっているとは夢にも思うまい。
このやり切れなさ、誰か受け止めて。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?