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【読書記録】落下する夕方

あらすじ

8年一緒に暮らしていた恋人の健吾が、家を出た。好きな女ができたと言って。
そして健吾と入れ替わりに一緒に暮らすはめになった、健吾の好きな女・華子。
子どもじみた、でも誰もがなぜか放っておけない華子との少し切ない日々。

感想

江國香織さんは、私が高校生の頃に小説を読むことの面白さを教えてくれた作家さん。
一時期は本当にたくさん読んでいて、大好きだった。
急に読みたくなって、一番好きだったこの作品を久しぶりに読んでみました。
また別の作品も続けて読もうかな。

まず、主人公の梨果が31歳と書かれていたことに衝撃を受けた。
高校生の頃はあんなにも大人の女性だと思っていたのに、今となってはめっちゃ年下…時の流れは怖すぎる…笑
それはともかく、31歳の女性が8年付き合った人に出て行かれたら(しかも若い女に取られたなんて!)辛いよなぁ。

奔放に、ありのままにふるまう華子と、それに執着してしまう男たち。
望んでなどいないのに執着されて、逃げるしかなかったのかな。
そんな華子は、梨果との生活で少しでも安らぎを得られていたんだろうか。
時間をかけて失恋した梨果、同じく華子に夫を取られたカツヤノカナイ、梨果の友人の涼子、この物語に出てくる女性はみんな強くたくましい。
だからこそ、華子の危うさが男の心を捉えてしまったのかもしれない。
(男とはなんと愚かなんだろうか…笑)

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