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ヴェスパー(2024年)【映画感想の未来はどうなるのだろう「ねえ。これ木が喋ってるよ!」と喋る森の中で映画感想の未来をつぶやく「聞いてる?」】

SF映画。文明崩壊後の世界。
シタデルと呼ばれるバイオ都市群にこもった富裕層と、
荒野でF1種の穀物を育てながら、
(要するに種もみが取れないので、毎年、種を買わないといけない)
貧しい農奴生活を送る下層民。

全体的に「風の谷のナウシカ」の影響を受けているのか、
バイオテクノロジーで作らせた奇怪な植物。
主人公の少女がそれを秘密の部屋で研究しているシーン。

そういう世界設定を背景に、

お父さんが全身マヒでバイテク人工心肺のメンテが必要なこと。
かわりにまんじゅうドローンで、娘を見守り飛行していること。
たまに父ドローンが壊されてしまい、ヒロインが泣く場面が多発するという。

そういうマッチ売りの赤毛のアン要素を、
ナウシカ要素で味付けしながら、
終末世界をSFするという味付け映画。

悪く言えば退屈。
よく言えば、これを観たことで、後世に自慢できる文化映画。
SF映画史に知られざる奇作として刻まれるのではないか?
とは思ってる。

まあシナリオはワンパターンだけど、それはSF大衆映画なのでしゃあない。

私の愁眉はやはり、改造植物である。
野生化したクリーチャーである改造植物は、

食人弾丸蛍の住処となっている赤い草(ふたつでひとつの生物かも)

ヒロインに育てられた陸上クラゲ(ナウシカが秘密の部屋で育ててたのと同じ)

倒れている人の傷口に触手を突っ込んで、ゆっくりと栄養を取る森林カイメン。

地面から顔だけ出してくるチンアナゴヒル。

呼吸する筋肉松。


***

空飛ぶクラゲのようなシタデルの航空機。

ただ、物語を通して、貧しい田舎の森を舞台にした作風なので、
もうちょっと世界観の深堀が欲しかった。

もうちょっと、もうちょっと、派手に冒険してたら、もっと良かった。
ヒロインの過酷なサバイブを描写するために、
通じて悲惨な映像に徹したのは良かったけど、
ゲームならともなく、映画としてはちょっと頂けない。

華が無さすぎる。
ゲームならいいんよ。プレイヤブルだから。
でも映画だと、暗すぎて退屈。

肝心の未来キノコ都市、シタデルは遠景が一回しか出てこないし。
まあ演出なんだけど、そこで少し何やかやあっても、良かった。

違う登場人物で、同じ背景世界を使った2作目を希望したい。
もうちょっと。もうちょっとなんだよ。

#映画感想文 #SF映画 #未来 #文明崩壊後 #超格差社会  
#改造生物 #バイオハザード後 #世界崩壊 #貧しい少女  
#世界を変える  

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