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ある日突然、手作り猫じゃらしを作った

我が家には2匹の猫がいる。保護猫だ。2019年5月に長女猫、2020年1月に次女猫を迎えた。2匹ともサビ猫。長女、次女とは書くが血の繋がりはない。とはいえ年齢が近いのでサビ猫姉妹として一緒に暮らしている。

1歳半と5ヶ月の姉妹。若いのでよく遊ぶ。猫じゃらしは必需品だ。市販品をいろいろ買ってきている。しかし帯に短し襷に長し、な、そういう品物が多い。あと、個人的なこだわりで、うさぎの毛皮は使ったものはアウトということにしている(ガチガチの動物愛護というわけではない。ただ単に以前、うさぎと暮らしていたので精神的に抵抗があるということだ)。

そんなある日、私は「しげない工房」さんの羽根じゃらしと出会う。ハンターでもあるしげない工房のオーナーが、自ら仕留めた雉の羽根で作った羽根じゃらしは、とても美しい工芸品でもあったし、なおかつ猫の反応もよかった。そうか、この子たちは羽根じゃらしが好きなんだな。そして、羽根じゃらし探しの旅が始まる。

アマゾンを探す。羽根じゃらしはたくさんある。しかし染め物だったり、レビューで「羽根が抜けやすい」と書かれていたり、あるいは部品に金属が使われていたり。なるべく身体への引っ掛かりや、毒性がないかなど、こだわりはじめると、市販品でお眼鏡にかなうものはそうない。そして、しげない工房さんの羽根じゃらしに戻る。よくできている。

ただしげない工房さんは作っている数が少なく、入手が難しい時がある。市販品も完全に安全と言い切れるものがない。それならば自分で作ってしまおうと思った。手芸は比較的得意である。縫い物はやらないが、小物作りは好き。ピン細工でピアス作ったり、紐細工でストラップ作ったり、革細工もしたことがある。なので、猫じゃらしもいいものがなければ作ろうと思った。

しばし作り方を考える。ここをこうして、ああして、結んで、ボンド塗り込んで…頭の中で設計図はできた。あとは実行するのみである。

工芸用麻紐の先に、羽根を配置していく。配置したら、まず木綿糸で結ぶ。ボンドを塗り込み上から麻紐で巻く。竹ひごに木綿糸で、先端に猫じゃらしの付いた麻紐を結ぶ。またボンドを塗り込み上から麻紐で巻く。手順だけ言うと楽ちんなようだが、いくら手芸に慣れているとは言え、始めての作業である。できあがりの細かい細工は、かなり荒いものになった。それが、ヘッダーに掲載した猫じゃらしだ。写真で細かい細工は見えないようにごまかしているが、出来栄えは荒い。

でも、素材となった羽根自体は大変美しいものだ。ピーコックのブルーネックという羽根だそう。アマゾンで羽根素材がないか探していて偶然見つけたもの。その美しさに衝動買いしたものだ。元々、毛鉤用の素材ということで、届いた羽根を開梱したら、猫じゃらしに適した大きく全体が残った羽根というのが意外と少なかった。もう1本作るにはもう1回購入したほうが良さそうだ(小さかったり、全体がない羽根は、手作り毛鉤には十分な大きさなのだろうと思う)。

こんなに美しい羽根で…と思うと、この羽根を提供いただいたピーコックのことは心が痛むし、十分にそこはピーコックを悼みたいと思う。しかし猫じゃらし、作ったからには昇天させてやらねばピーコックも浮かばれまい。ボンドが乾いた明朝から実際に遊んでみて、耐久性テストをしていきたいと思っている。

サポートしてくださると猫のゴハン代になり、猫じゃらしの素材代になります。趣旨に賛同できる方はお願いできれば幸いです。