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サビ猫ポンちゃま痒い痒い。ノミ騒ぎの置き土産をもらってしまって可哀想に。

前回はノミ騒ぎについて書いた。あれからほぼ半年が経ち、今は平穏である。ノミは姿を消したかに見える。

ただ、うちの子四匹のうち、事後的に可哀想なことになってしまった子がいる。長毛サビ猫のポンちゃまだ。他の子は痒がらなくなった段階で、ポンちゃまはまだ痒い。気が付けば全身舐め尽くし、ふさふさのしっぽも細くなり、お腹もはげちょろけになってしまっていた。

お腹の惨状を見、さらにはその毛の薄くなったお腹をノミが這っているのを見つけて、これはいけないと慌てて動物病院に走った。アレルギーの診断が下りた。状況からしてノミアレルギーの可能性が高いが、食物アレルギー、ハウスダストアレルギーの可能性も排除できない、と。ノミアレルギー以外のアレルギーについては様子を見ながら判断することにして、ひとまずノミアレルギーとしての治療がスタートした。

痒み止めの薬を飲まなければならない。錠剤だ。ステロイドだった。錠剤の形状としては小さいので飲ませるのはそんなに難しくないだろうとは思ったが、それにしてもポンちゃまに薬を飲ませるのは初めてのことである。うまくいく保証なんてどこにもなかった。

どうしようかと思ったが、投薬用のオヤツでくるんであげるのが一番楽だろうと思った。投薬用オヤツにはいくつか種類があり、投薬用ちゅーる、メディボール、ピルポケットあたりが定番だろうか。いずれもくるんで飲ませる。

投薬用ちゅーるは、通常のちゅーるより粘度が高く、薬を隠しやすい。ただ、形にはならないので、舐め取ってもらう他なく、薬をペッされるとその後再度飲ませるのはやや難しいかと思う。

メディボール、ピルポケットは粘土状のオヤツで、薬をくるんで喉の奥に落とすことができる。そのまま飲み込んでくれればOK。喉の奥にうまく落とせないと、カミカミしてペッすることもあるが、再度くるんで飲み込ませることができる。

あれこれ試したが、投薬用ちゅーるは結局使わず(50本入りの1ロット丸々買って、使ったのは1本だけ)、メディボールとピルポケットを使って投薬を続けた。ポンちゃまは大人しく従順な子なので、こちらがあぐらをかいてポンちゃまを横抱きし、口を開けさせて薬入りオヤツを喉の奥に落とす、という手段が可能だった。

抱っこが嫌いな子だと横抱きにするのも難しいと思うが、その点ではポンちゃまは本当に楽な子で、助かった。その顛末は、動画にまとめてYouTubeにアップし続けた。

動画は38本にも及んだ。これでも全ての記録ではない。初期の頃のものだ。毎日の記録が意外と大変で、自宅内の写ってほしくないところなども写ってしまうのでモザイク掛けに苦労する日々が続いた。もし興味があればこちらの再生リストをごらんいただきたい。

メディボールには味が6種類ある。まぐろ、かつお、ササミ、チーズ、ほたてシチュー、たらである。ピルポケットは2種類、チキンとサーモン。これだけ種類があれば、飽きっぽい子でも、バリエーションを持って投薬できる。いずれもベースはチキンで、他の味が付けられているようだ。

メディボールとピルポケットを比較すると、ピルポケットのほうがなめらかでまとめやすい。メディボールはややポソポソしており、薬をくるんで、こねてまとめる時にやりにくいことがある。ただ、これは味によって含まれる油分が異なり、味によってポソポソだったり、そうでもなかったりする。

うちの子たちはそろってチキン味があまり好きでないので、ササミ味が登場することは少なかったが、ササミ味が一番ポソポソするので、ササミ好きな子の場合は苦労する可能性がある。チーズ味があるが、においはミルクだった。ミルク味としてみてもよいかもしれない。

これらをとっかえひっかえ、ポンちゃまに投薬を続けた。投薬期間は4ヶ月に及んだ。これは、薬がステロイドだったせいである。もともとステロイドは体内で作られる物質で、それをさらに与えるということは、体内のバランスが変わることになる。急にやめると、ステロイドを作り出す内臓に負担をかけてしまう。

なので、症状が落ち着いてからも徐々に徐々に減量していかねばならない。これが根気のいる作業だった。一番痒い時は1錠丸々飲む。治まってきたら、1/2錠に減量。さらに1/4錠に減量。そしてそれを毎日から2日に1回、3日に1回と数週間単位で減量していき、薬を完全に切るまでにトータル4ヶ月かかったことになる。

その間、ポンちゃまも辛抱強く頑張ってくれた。はげちょろけだったお腹もふさふさしてきた。細くなったしっぽも、こちらもふさふさに戻った。この子は野良として放浪していた子猫の頃に保護された子だが、その時一度ノミ落としに失敗しており、今回の件もあり、お世話になった保護団体の見立てだと、皮膚や毛の状態が、ノミが付きやすいタイプなのでは、ということだった。

なので、他の子からはノミが落ちてもこの子にはノミが残ったし、痒みも出てしまった可能性がある。今も毛づくろいすることが多いので、注意深く観察は続けている。痒がるようなら頓服として使ってくださいと、ステロイドも動物病院から出していただいたものが手元にある。

ちなみに先述の保護団体では、ノミ落としの一環としてお風呂に入れるが、猫用シャンプーでなく食器用洗剤のジョイで洗うのだとか。ノミを殺す界面活性剤の作用は、食器用洗剤のほうが確実なのだそう。中でもジョイが一番と聞いている。もちろん、猫の保護に長けた方々の手段なので、安易に真似するのは難しいが、知恵として覚えておくのはいいだろうと思う。

ステロイドだが、副作用で食欲が増すというのがある。ポンちゃまの場合、4.6kgから5.4kgまで増量した。これを人間換算した場合に、結構とんでもない増量であることは想像に容易だと思う。特に同居猫がいて置き餌にしている場合など、ウェイトコントロールは難しい。痩せさせるのが目下の目標である。

今の所の最後の受診になった日、獣医さんにお腹を揉まれて「お肉ですねー」と言われてしまった。今はステロイドの投与はやめているので、一時期ほどの爆食傾向は治まっているが、それでも元々よく食べる子なので、痒みは治まっても、新たな悩みの発生だ。さて、どうしたものだろうか…。

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