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ザリガニの鳴くところ ディーリア・オーエンズ ハヤカワ文庫 そしてAI生成画像を使った新しい読書の楽しみ方


映画は見損なってしまった。忙しい時で、何とか時間を作って映画館に行ったら、なんとソールド・アウト。年末に読む本を買いに本屋によってみたら、文庫本になっていたので迷わず購入!
 もっと重い話だと思っていたのだけど、意外とライトな青春恋愛ミステリー。
 湿地帯が舞台というのが新鮮。アメリカのノースカロライナ州にある湿原が舞台。
 どんなところか分からない。
そこで、AI生成画像で様子を見ることに。

ヒロインのカイアが生きた湿地帯。イメージに近いものが出来た。イメージをもとに生成しているのだから、当たり前だけど。
 これは新しい読書の楽しみ方ですよ。物語の世界を想像するだけでなく、それを具象的なビジョンとしてアウトプットする。
 これは楽しい!

家族に置き去りにされて湿地帯の中で、ひとりで必死に生きて行こうとする少女時代のカイアに、ひとり暮らしを始めた時の自分が重なりました。
 なんの準備もなく、着の身着のままで実家を離れ、ボロいアパートに転がり込んだ。
 湿地帯で生きるのも大変ですが、大都会でひとりで生きるのも、かなりハードでしたね。

千葉の九十九里浜でソロキャンプしていた時の思い出にも重なりました。
 太平洋の波の音を聞きながら眠り、波の音で目が覚める。楽しかったですね。死にそうになりましたが。

湿地帯でひとりで生きるカイアは、だから僕からすると、そんなに悲劇的という感じはしなくて、どっちかというと冒険小説みたいな感じがしました。

湿地帯での生活は、けっこう面白そうです。何処に出かけるにもボート。これが船外機付きの船なのか、モーターボートみたいにエンジンが内蔵されたものなのか、よく分かりませんでしたが、おそらくモーターボートのような物だと思う。船の種類については、よく知らないのですが。

水際に家があって、ちょっと食事に行こうかなと思ったら、家の前に係留しているボートに乗り込で、港町にある海の見えるレストランに行き、蟹のスープにチャーハンの食事をした後、漁師達の法螺話を聞きながらバーボンをちびちびと飲む、憧れますね。
 そんなシーンはありませんが、近いものはある。湿地帯の生活が面白く、楽しそうなので全然、悲劇的な話に読めませんでした。

カイアは自力で生活出来るようになると、湿地帯の自然に興味を持つようになり、貝殻や鳥の羽を集めるようになります。
 これもよく分かります。ひとり暮らしを始めた時、時間があると、とにかくよく出かけて、あっちこっち歩き回りました。東京生まれだけど、千葉育ちだから都内は知らない所が多かった。
 まずは、自分のいる世界が、どんな場所なのか探索するんです。猫や犬もそうですよね。初めての土地に行くと、まずは此処がどんなところなのか、探検に出かけます。

町の人達からは、湿地帯の原始人と思われていたから、誰も相手にしてくれません。
 楽しくなってくるほど、よく分かりますね。人付き合いに時間を取られない分、好奇心のエンジンがかかります。
 AI生成画像で、そんなカイアの世界を生成してみました。ヘンリー・ダーガーとも共通するものを感じます。

楽しそうでしょう。漫画本とアニメグッズに埋もれたオタクの世界とも通じるものがありそうです。
 自然の中で、ひとりで、自分の好きな事だけをやっている。これは楽しいです。これを楽しめない人も多いですが。これは、はっきりと分かれますね。

絵を描き、鳥の羽を集めたりします。この趣味が後に、彼女を助けることになります。

なんか、羨ましいような生活で、全然悲惨な感じ、じゃ無いです。
 物語の本筋よりも、湿地帯でのカイアの生活が面白く読めました。

著者は動物学者なので、これは著者のやりたかった事ではなかったのかな。

ということで、本筋の個人的には、やや軽めに感じた恋愛サスペンスよりも、湿地帯の自然とカイアの生活ぶりが、面白く読めました。あともう少し湿地帯の自然について凝った描写がほしかったかな。
 AI生成画像で作った、ザリガニの鳴くところの世界は、どうでしたか。AI生成画像は読書に新しい楽しみ方を与えてくれたと思うんです。


 


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