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#4 夢日記 紅白の輝き

新居はなかなかいい場所だった。10階建てのマンションのには広い公園があり、中央あたりに神社が建っている。

季節は秋。私は廊下から外を見る。綺麗な紅葉がはらはらと落ちて、神社の真っ赤な屋根や地面の薄茶色を埋めていた。ふと手前にある小さな排水路が目に留まった。なにやら光るものがうごめいている気がしたのだ。

気になった私は公園まで降り、その場所へ寄ってみた。

すると質素な排水路には見合わない、人間より何倍も大きな鯉が跳んだ。銀色に光る体から、先ほど見たのはこれかと理解した。大きな目玉がこちらを見ている。光を反射して不気味に輝いていた。

間髪入れず反対から別の鯉が跳んだ。今度は真っ赤な鯉だ。この鯉たちは、私を容易に食べられるだろう。逃げなければ!私はマンションまで走った。

排水路はいたるところに張り巡らされており、いくら逃げても追いつかれてしまう。焦っていたら何故か小さくなっていて、排水路の中に吸い込まれてしまった。幸いそこには3㎝も水がなかった。どうやら鯉たちは水面に生息しているらしい。私は水の無いところまで走ることにした。

すさまじい勢いで追いかけてくる鯉たち。鯉は顎が強いから、あの巨体に噛まれたら死んでしまう...。恐怖の中走るのは至難の業だった。だがもうすぐ安全地帯だ!私は水の無い場所へダイブした。

よかった!逃げ切れた!!

振り返ると鯉たちが水の終わり際でバシャバシャと跳びまくっていた。しばらくして私を食べられないことがわかると、水面から姿を消した。

ここで夢から覚めた。あの目玉が忘れられない。


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