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彦根駅にて「もう、絶対袋おでんなんて買わないからねー!」

第1回note-M1エントリー作品


まさか、私がM1に参加できるなんて😊
夢みたい^_^
あ、文字の方ですよ・・・

サークル長の渡邊惺仁さんが、星野源さんこと、〇〇について思うことさんという相方を見つけ、バーチャルお笑いコンビ(VOC)を結成したところからこのような大会が開催の運びになったようです。^_^
人を笑わせるなんて、苦手ですが、せっかく、渡邊さんと、思うさん主催なのでエントリーしてみることにしました。

プシュー・・・。
その時、JR在来線のドアは無残にも閉じられた。私は、ドアの外側で、袋おでんと箸を持って、呆然とした。ドアの内側では、友達のちかちゃんが、ガラス超しに、私を見つめて、ガラスに手を当て必死な顔で、こちらに向かって、何か伝えたそうに口をぱくぱくさせている。
そう私は、彦根駅に、袋おでんと箸だけを持って取り残されてしまった。 当時、私は大学生で、たっぷりある時間を使い、青春18切符で友達と神戸、広島、島根へと繰り出した。

 たった、数分前、友達のちかちゃんは駅の売店で総菜らしきものを買い、電車の中に戻ってきた。ところが、箸がなかったのだ。
 そこで、私は自分が買った袋おでん用の箸をぽきっと2つに折って、ちかちゃんに差し出した。

ところが、半分に折った箸では、袋おでんの汁がじゃまになり、おでんのたねにたどり着かない!
 そこで、私は、袋おでんと箸だけを持って、すぐに戻るつもりで、電車の外に出た。袋おでんの汁を捨てようと思ったのである。

ところが、袋おでんと箸しか持っていない、無防備な私を残して、ちかちゃんと電車は走り去ってしまったのである。切符さえ持っていなかった。
私は、考えても仕方がないと思い、とりあえず、駅のホームのベンチに腰掛け、その袋おでんをまず食べることにした。

 とりあえず、腹ごしらえをした私は、親切そうな駅員さんに、事の顛末を話した。駅員さんから「どの駅で降りるのか」尋ねられた。
三ノ宮駅で降りるのか、神戸駅で降りるのか相談中だった。どっちで降りたらいいのか分からなかった。運命の二択だった。

 落ち着いて考えてみた。その日、宿泊するのは、神戸のユースホステルだったから、恐らく、ちかちゃんも「神戸駅」で下車するに違いないと予測した。駅員さんには「神戸駅で降りることにします。」と伝えた。

 当時、今のように携帯電話なんてなかったから、全く、どうしようもなかったのだ。でも、今の時代でも、携帯を不携帯だったら、結果は同じだっただろう。 

 唯一の持ち物だった「おでん」を食べてしまった私は、まさに、何も持たずに、在来線に乗り込んだ。駅員さんが出してくれた臨時切符だけを固く握りしめて・・・。

神戸駅に着くと、駅員さんに案内されて、駅長室へ・・・。
なんと、そこには、不安気なちかちゃんと、ちかちゃんとわたしの荷物が待っていた。
「会いたかったよー!ちかちゃん。」思わず、抱き合ってしまった!

 今回、この記事を書くにあたって思い出したことがある。
私は、斜めがけのショルダーバッグを常に愛用しているのだが、そういえばこの事件がきっかけだったのだ。
 そして、「もう絶対、袋おでんなんて、買わないからねー!」って今でも思っている。


追伸
主催者の渡邊さんから、コメント欄にて・・・
気になったら、コメント欄ものぞいて見てねー